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週間為替展望(豪ドル/ZAR)-RBNZ、労働市場弱く利下げ予想

◆豪ドル、雇用統計は好結果もRBAの動向は今後の経済指標次第か
◆NZドル、RBNZは利下げ予想が優勢
◆ZAR、景況感指数も強く高関税の影響は現時点では軽微

予想レンジ
豪ドル円 93.00-98.00円
南ア・ランド円 8.25-8.60円

8月18日週の展望
 豪ドルは引き続き方向感が定まらない相場展開になりそうだ。今週11-12日に行われた豪準備銀行(RBA)理事会では、全会一致で市場予想通りに政策金利を3.85%から3.60%へと引き下げた。理事会では見通しについては引き続き慎重な姿勢を維持し、声明文では「基調インフレ率は2-3%レンジの中間点付近まで引き続き緩和していく」との見解を示した。市場では次回の利下げが9月予想と、11月まで先送りするとの予想が二分されている。今週発表された4-6月期の賃金指数は前回の0.9%よりも弱い0.8%だったこともあり、今後もインフレが低下傾向を示せば早期利下げ期待が高まりそうだ。一方で、7月の雇用統計は失業率が前回の4.3%から4.2%へと改善しただけでなく、常勤雇用者を中心に新規雇用者数が増加した。下半期に豪州の雇用指数が改善傾向を辿れば、利下げは先送りされ豪ドルの支えになる。今後は、インフレと雇用指標のバランスを見極めながら、豪ドルは神経質な動きになるだろう。

 なお、来週は豪州からのイベントは20日にRBAのマクフィー副総裁(ビジネスサービス担当)とジョーンズ副総裁(金融システム担当)がパネルディスカッションに出席。21日にはメルボルンインスティテュートから8月のインフレ期待が発表される。

 隣国のニュージーランド(NZ)からは、20日のNZ準備銀行(RBNZ)金融政策委員会(MPC)に注目。公式現金金利(OCR)は昨年8月の5.50%から3.25%へと引き下げられてきている。MPCでは前回に引き続き据え置きを予想する声も一部ではあるが、今月発表されたインフレ率や雇用指数の結果を受けて25ベーシスポイントの利下げ予想が優勢。4-6月期のCPIは前年比で+2.7%となり、基礎的な物価圧力が弱いことが示された。同期の雇用統計は、5.2%となり5年ぶりの高水準を記録し、労働力参加率が70.7%から70.5%へと低下するなど、労働市場の更なる弱さを示す結果となった。なお、21日には7月貿易収支も発表予定。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅い展開を予想。米国の関税率が30%に引き上げられたが、市場への影響は軽微で今週もZARは堅調に推移した。今週発表された南ア商工会議所(SACCI)がまとめた景況感指数は、7月は116.7まで上昇するなど、関税の悪影響は現時点では表面化されていない。各国の金融緩和路線で、南アへの投資意欲が継続されていることがZARを支えるだろう。なお、来週の経済指標では、20日の7月消費者物価指数(CPI)が注目される。

8月11日週の回顧
 豪ドルは対ドルでは横ばい、対円では小幅安。豪雇用統計が好結果だったことが豪ドルを支えたが、米卸売物価指数(PPI)が市場予想を大幅に上回ると対ドルでは上値が重くなった。対円ではベッセント米財務長官が日銀への利上げ圧力と捉えられる発言をしたことで上値が重かった。ZARは堅調だった。対円では1月後半以来の水準、対ドルでは年初以来高値を更新した。南アの4-6月期失業率は悪化したが、市場の反応は限られた。(了)

(執筆:8月15日、9:00)

(岩間)
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