NYマーケットダイジェスト・19日 金利上昇・株安・ドル高・ポンド安

(19日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.90円(前営業日比△0.64円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=146.51円(▲0.62円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9773ドル(▲0.0085ドル)
ダウ工業株30種平均:30423.81ドル(▲99.99ドル)
ナスダック総合株価指数:10680.51(▲91.89)
10年物米国債利回り:4.13%(△0.12%)
WTI原油先物11月限:1バレル=85.55ドル(△2.73ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1634.2ドル(▲21.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数(前週比)   ▲4.5%      ▲2.0%
9月米住宅着工件数         143.9万件    156.6万件・改
   建設許可件数         156.4万件    154.2万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は11日続伸。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いがこの日も続いた。米20年債入札が「低調」と伝わると、米10年債利回りが一時4.1377%前後と2008年7月以来の高水準を記録。全般ドル買いが優勢となり、一時149.91円と1990年8月以来32年ぶりの高値を更新した。
 ただ、心理的節目である150円に迫る中、政府・日銀による為替介入への警戒感も根強く、一本調子で上昇する展開にはならなかった。

・ポンドドルは軟調。英財政への懸念が薄らぐ一方、英中銀(BOE)の金融政策運営やトラス英首相の政権担当能力など、先行き不透明感が増しており一時1.1186ドルと日通し安値を付けた。ポンド円も一時167.64円まで値を下げた。
 なお、英国では政局不安が高まっている。ブレイバーマン英内相はこの日、大型減税など経済対策の撤回に追い込まれ、逆風が強まっているトラス首相を暗に批判した形で辞任した。14日に財務相を解任されたクワーテング氏に続き、トラス氏は主要閣僚2人を失った。市場では「短期間での重要閣僚の交代は、求心力が下がっているトラス政権にさらなる打撃となるだろう」との声が聞かれた。

・ユーロドルは3日ぶりに反落。米長期金利の大幅上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て、2時過ぎに一時0.9757ドルと日通し安値を更新した。
 安く始まった米国株が上げに転じた場面ではリスク・オフのドル買いが後退したため、ユーロドルは0.98ドル台前半まで下げ渋ったが、米国株が失速するとリスク・オフのドル買いが再び強まった。

・ユーロ円は7日ぶりに反落。ユーロドルの下落や欧州株安に伴う売りが出ると一時146.08円と本日安値を付けた。23時30分過ぎには146.70円付近まで下げ渋る場面もあったが、ダウ平均が300ドル近く下落すると再び上値が重くなった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。米10年債利回りが一時4.1335%前後と2008年7月以来の高水準を更新すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが広がった。一時300ドル近く下落した。ただ、好決算を発表した銘柄には買いが入ったため、指数は上げに転じる場面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に下落。FRBの大幅利上げが続くとの見方が強まる中、債券売りが優勢となった。米20年債入札が「低調」だったことも相場の重しとなり、利回りは一時4.1377%前後と2008年7月以来の高水準を更新した。

・原油先物相場は4日ぶりに反発。週間在庫統計で原油在庫が大幅に減少したことを受けて需給ひっ迫懸念から買いが強まった。なお、バイデン米大統領はこの日、米国の戦略石油備蓄を1500万バレル追加放出すると発表した。

・金先物相場は続落。米長期金利が大幅に上昇したため、金利を生まずドル建てで取引される金は売りが優勢となった。

(中村)
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