週間為替展望(ドル/ユーロ)-FOMCでの利上げ見通しに注目

◆ドル円、FOMCでの利上げ停止示唆の有無に左右
◆1月米ISM製造業景気指数や1月米雇用統計など重要指標相次ぐ
◆ユーロドル、FOMCやECB理事会を受けて乱高下の可能性も

予想レンジ
ドル円   127.00-135.00円
ユーロドル 1.0600-1.1100ドル 

1月30日週の展望
 ドル円は、来週開催予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)における今後の利上げ見通しに大きく左右されることになりそうだ。2月1日にFOMCの政策発表が予定されているが、0.25%の利上げが市場のコンセンサスとなっており、次回以降の見通しについて声明文で示唆するかに注目が集まっている。現時点では3月会合でも0.25%利上げし、その後は利上げをいったん停止するというのが大方の予想となっている。

 ただ、カナダ中銀が25日の金融政策決定会合で利上げをいったん停止する可能性を示唆したこともあり、一部では「来週の会合で利上げを停止するのでは」との思惑が浮上している。そのため、結果公表までは思惑からドルは不安定な動きとなることも想定されるが、思惑が先行している分、仮に利上げ停止が示唆されなかった場合にはドルが大きく上昇する可能性もあるため、値動きには注意が必要だろう。米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が、FOMC直前になって自身のツイッターや記事などで利上げ見通しについてのヒントを示すことも考えられるため、同氏の発言には警戒したいところだ。

 来週はFOMCのほかにも、2月1日に1月ADP全米雇用報告や1月ISM製造業景気指数、2月2日には1月米雇用統計や1月米ISM非製造業指数など、重要指標が目白押しとなっている。

 ユーロドルは、FOMC結果公表を受けたドルの動向、そして2月2日に開催される欧州中央銀行(ECB)定例理事会での金融政策発表次第では乱高下する可能性があることに留意したい。ECBの利上げ見通しとしては、2月会合で0.50%引き上げることは織り込まれているが、3月会合では、0.25%と0.50%の利上げ幅でメンバー間でも意見が分かれており、ラガルドECB総裁の定例記者会見の内容に注目が集まっている。また、月末週とあって31日のロンドンフィキシングにかけた動きにも注意が必要だろう。

1月23日週の回顧
 ドル円は、週明けの東京午前に一時129.04円まで売り先行したものの、日銀が初めて5年物の「共通担保資金供給オペ(公開市場操作)」を実施すると、円債金利の低下とともに買い戻しが優勢に。翌24日は1月米PMI速報値が予想より強い結果となると一時131.12円まで買い上げられたが、1月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想を下回ったため失速。米長期金利の低下なども重しとなって26日には一時129.03円まで売り込まれた。ただ、10-12月期米国内総生産(GDP)速報値など良好な米指標が相次いだことで買い戻しが優勢となり130.62円まで切り返した。

 ユーロドルは、良好な米PMI速報値を受けて1.0835ドルまで下げる場面があったが、ECBが大幅な利上げを継続するとの観測を背景に押し目買いが入り1.0929ドルまで切り返すなど、1.0900ドルを挟んで方向感が出なかった。(了)
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