NYマーケットダイジェスト・26日 株続落・金利低下・原油安・円もみ合い

(26日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.40円(前営業日比△0.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.86円(△0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0563ドル(▲0.0003ドル)
ダウ工業株30種平均:32784.30ドル(▲251.63ドル)
ナスダック総合株価指数:12595.61(▲225.61)
10年物米国債利回り:4.84%(▲0.11%)
WTI原油先物12月限:1バレル=83.21ドル(▲2.18ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1997.4ドル(△2.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
7-9月期米国内総生産(GDP)速報値
前期比年率              4.9%       2.1%
個人消費速報値(前期比年率)     4.0%       0.8%
コアPCE速報値(前期比年率)      2.4%       3.7%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。アジア市場では一時150.78円まで上昇し年初来高値を付けたあと、政府・日銀による為替介入への警戒感が高まったことから一時149.96円まで急落。ただ、売り一巡後は急速に買い戻しが入り150円半ばまで持ち直すなど、荒い値動きとなった。
 そのため、欧米市場では積極的にポジションを取りづらい雰囲気となり、150円台での狭いレンジ取引に終始した。7-9月期米国内総生産(GDP)速報値や9月耐久財受注額などが予想を上回った一方、米長期金利が大幅に低下したことで売買が交錯した面もあった。

・ユーロドルは小幅ながら3日続落。予想を上回る米経済指標をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行。21時30分過ぎに一時1.0524ドルと日通し安値を付けた。ただ、米長期金利が低下に転じると一転ショートカバーが優勢となり1.0560ドル付近まで切り返した。市場では「米GDPとあわせて発表されたコアPCE速報値が予想より弱い内容となったことが米長期金利の低下につながった」との指摘があった。
 もっとも、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が定例理事会後の会見で「ユーロ圏の経済は弱いままであり、年内も同じような状態が続くだろう」「成長に対するリスク、依然として下振れ方向」「インフレは近いうちに低下するだろう」と発言すると1.0525ドル付近まで押し戻された。
 NY午後に入ると再び強含んだ。米7年債入札が「好調」と受け止められると、米長期金利が低下幅を拡大。ドル売りが優勢となり、一時1.0565ドル付近まで下げ渋った。

・ユーロ円は3日ぶりに小反発。しばらくは158円台半ばでのもみ合いが続いていたが、ユーロドルが上昇したタイミングで一時158.90円と日通し高値を更新した。ただ、前日の高値158.94円を上抜けることは出来なかった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、5月25日以来約5カ月ぶりの安値を更新した。決算内容が嫌気されたメタプラットフォームズが軟調に推移すると、投資家心理が悪化。大型ハイテク株全般に割高感も意識されて、マイクロソフトやアップルなどに売りが広がった。ただ、米長期金利が大幅に下落したことで株式の相対的な割高感が薄れると買い戻しが強まり、上げに転じる場面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落し、5月24日以来約5カ月ぶりの安値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは反発。7-9月期米GDP速報値は予想を上回ったものの、コアPCEが予想を下回ったことで買いが優勢となった。中東情勢の緊迫化や堅調な7年債入札も相場の押し上げ要因となった。

・原油先物相場は反落。中東情勢の先行きが不透明ななかでも戦略的石油備蓄量は十分との話が前日伝わっていたことや、同日発表の米週間原油在庫が積み増しに転じていたことが徐々に効き始めてきたとの見方もあり反動安となった。米GDPなど経済指標の好結果が米金利の継続的な上昇につながらず金利低下へ転じた状況も、金利上昇をともない買われる展開がイメージされる原油などリスク資産が上昇するムードを高めにくい要因となったもよう。

・金先物相場は続伸。イスラエル軍が、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ大規模な地上作戦を実施したとのニュースが伝わった。安全資産とされる金は買い優勢に。米株安も退避先資産としての金買いを支援する要因となった。

(中村)
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