株式明日の戦略-いびつな状態は後場に修正、あすも神経質な展開か

 14日の日経平均は4日ぶり反発。終値は111円高の38807円。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆3300億円。業種別では電気・ガス、石油・石炭、非鉄金属などが大きく上昇した一方、パルプ・紙、銀行、サービスなどが下落した。半導体株は全体の足を引っ張った銘柄が多かった中、レーザーテック<6920.T>が4.1%高と大幅上昇。反面、アドバンテスト<6857.T>が2.4%安と大きく下落し、日経平均のマイナス寄与度トップとなった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1236/値下がり382と値上がりが値下がりの3倍以上あった。関西電力や東北電力など電力株が急伸しており、東電HDは全市場の売買代金3位の大商いで6%超上昇した。川崎汽船や商船三井など直近で売られていた海運株に見直し買いが入った。原油高を好感して、INPEX、ENEOS、出光興産などが大幅上昇。住友鉱山や三菱マテリアルなど非鉄株にも強い動きが見られた。前日の配当方針変更のリリースを材料に極東証券が場中に値が付かないほど買いを集める中、光世証券、水戸証券、東洋証券など同業にも資金が向かった。

 一方、さくらネット、三井E&S、野村マイクロなどが大幅安。米国の長期金利が上昇したことから、キーエンスやリクルートなどグロース系の銘柄が弱かった。北越コーポや阿波製紙など直近で跳ねた製紙株が利益確定売りに押されて大幅安。代表取締役社長による株式売却が嫌気されたM&A総研が急落した。

 日経平均は4日ぶりに反発。後場にプラス転換したが、値上がり銘柄数からすれば、前場の下げがいびつであったと言える。終値(38807円)では25日線(38714円、14日時点、以下同じ)を上回った。その一方で、5日線(38962円)を超えられない状態が続いており、この2つの線が接近している。早晩大きな動き(5日線を明確に突破すれば上、25日線を明確に割り込めば下)が出てくる可能性があり、タイミング的に日銀金融政策決定会合やFOMCがボラティリティを高めるイベントになりそうだ。

 本日は米国で2月の生産者物価指数(PPI)や小売売上高が発表される。足元では米半導体株の振れ幅が大きくなっているだけに、米長期金利が大きく上昇してしまうと、きょうの序盤のように半導体株主導で下を試しに行く展開も想定される。翌週に日銀会合やFOMCを控えていることから、米金利が低下しても買いの方は恐る恐るとなるだろう。今週は週初に大きく崩れた後は踏みとどまっているだけに、25日線より上で週を終えることができるかに注目したい。
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