欧州マーケットダイジェスト・8日 株高・金利上昇・ドル失速

(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.77円(8日15時時点比▲0.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.79円(△0.34円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0858ドル(△0.0024ドル)
FTSE100種総合株価指数:7943.47(前営業日比△32.31)
ドイツ株式指数(DAX):18318.97(△143.93)
10年物英国債利回り:4.085%(△0.016%)
10年物独国債利回り:2.435%(△0.036%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月スイス失業率            2.4%      2.4%
2月独鉱工業生産
前月比                 2.1%     1.3%・改
前年比                ▲4.9%    ▲5.3%・改
2月独貿易収支        214億ユーロの黒字 276億ユーロの黒字・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.4621%前後と昨年11月以来の高水準を更新すると円売り・ドル買いが先行。21時過ぎに一時151.94円と日通し高値を付けた。
 ただ、米10年債利回りが4.40%台まで上昇幅を縮めるとドル円にも売りが出て、151.72円付近まで下押しした。政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、3月27日に付けた34年ぶりの高値151.97円がレジスタンスとして意識された面もあった。

・ユーロドルは底堅い動き。米国での利下げ時期が先送りされるとの見方からユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0821ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米長期金利が上昇幅を縮めたこともユーロ買い・ドル売りを促した。前週末の高値1.0848ドルを上抜けると一時1.0859ドルまで上値を伸ばした。

・ユーロ円は強含み。ユーロドルの上昇につれたユーロ買いが入ったほか、欧米株価の上昇に伴うリスク・オンの円売りが出ると、0時過ぎに一時164.85円と日通し高値を付けた。

・スイスフランは下落。対ユーロでは一時0.9832スイスフラン、対ドルでは0.9066スイスフラン、対円では167.54円まで値を下げた。イスラエルがパレスチナ自治区ガザ南部からさらに部隊を撤退させ、停戦に向けた新たな協議に取り組む姿勢を示したことから、中東情勢を巡る緊張が緩和。避難通貨とされるスイスフランには売りが出た。

・ロンドン株式相場は反発。前週末の米国株相場が上昇したことを受けて英株にも買いが入った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が上昇した。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株も値上がりした。

・フランクフルト株式相場は反発。2月独鉱工業生産が予想を上回ったことで経済悪化への懸念が和らぎ、株買いが優勢となった。米国株相場の上昇も相場の支援材料。個別ではザランド(7.39%高)やラインメタル(4.43%高)、シーメンス・エナジー(3.30%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。2月独鉱工業生産が予想を上回ったことで独経済への懸念が和らぐと、独国債に売りが出た。

(中村)
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