ロンドン為替見通し=転換線割り込み下方レンジ抜けで上値重いか、欧州大陸は休場

 本日の欧州市場は、英国は通常通りの営業日となっているが、ドイツ、フランスなどの欧州大陸の市場はレーバーデーで休場なこともあり、米国勢が参入するまでは動意づくことは難しいだろう。
 もっとも、ユーロドルは昨日の欧州時間に発表された経済指標(1-3月期ユーロ圏域内総生産=GDP速報値や4月ユーロ圏消費者物価指数=HICPコア速報値)が市場予想を上回ったのにもかかわらず上値が限定的だったことや、これまで下値レンジを支えていた日足一目均衡表・転換線を割り込んだことで、上値が重い展開が続くと予想する。

 昨日発表された1-3月期のユーロ圏GDPは前年比、前期比ともの予想を小幅ながら上回った。また、4月のHICPは前月比では予想通りとなったが、前年比では予想を上振れた。しかしながら、ユーロドルは1.0735ドルまで僅かに強含んだにすぎず、先週から上値を抑えている日足一目均衡表・基準線の1.0743ドル近辺を超える勢いがなかった。これまで小幅に超えることはあった基準線と転換線の間で取引されていたユーロドルが、ようやくレンジをブレークしたことで、本日は下値トライとなりやすそうだ。

 NY参入後は4月ADP全米雇用報告、3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数などの雇用指標や、4月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数などが発表されることで、これらの指標で市場が動意づくことになるだろう。しかしながら、最大の注目は欧州引け後の米連邦公開市場委員会(FOMC)及びその後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見になることで、徐々に値動きは限定的になりそうだ。

・想定レンジ上限
 ユーロドル:日足一目均衡表・基準線1.0743ドルから26日高値1.0753ドルが抵抗帯。

・想定レンジ下限
 ユーロドル:4月16日につけた年初来安値1.0601ドル。


(松井)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。