NYマーケットダイジェスト・27日 株軟調・原油高・円高

(27日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.66円(前営業日比▲0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.13円(▲0.73円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0565ドル(△0.0002ドル)
ダウ工業株30種平均:32417.59ドル(▲366.71ドル)
ナスダック総合株価指数:12643.01(△47.40)
10年物米国債利回り:4.83%(▲0.01%)
WTI原油先物12月限:1バレル=85.54ドル(△2.33ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1998.5ドル(△1.1ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視している9月米個人消費支出(PCE)コア・デフレーターが前年比3.7%上昇と市場予想通りの結果となったことが伝わると、全般ドル売りが先行した。
 イスラエル軍の報道官がパレスチナ自治区ガザへの地上作戦を「今夜拡大する」と表明すると、ダウ平均が一時450ドル超下落。ナイト・セッションの日経平均先物も510円下落し、リスク・オフの円買いを促した。3時30分過ぎには一時149.46円と日通し安値を付けた。
 市場では「日銀が来週の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正に動くのではないか」との見方も出ており、売りが出やすい面もあったようだ。

・ユーロドルはほぼ横ばい。米物価指標の結果が伝わると米インフレ鈍化が意識されて、全般ドル売りが先行。一時1.0597ドルと日通し高値を付けた。中東カタールの衛星放送局アルジャジーラが「カタールの仲介で、イスラエルとハマスは停戦協定の実現に向けて急速に交渉を進めている」と報じると、中東情勢への懸念が和らぎユーロ買い・ドル売りを誘った面もある。
 ただ、節目の1.0600ドル手前では戻り売りなどが出たため上値は限定的だった。「イスラエル軍はガザでの地上作戦を拡大」との報道を受けて、ガザ停戦への期待がはく落したことも相場の重し。3時前には1.0557ドル付近まで押し戻された。

・ユーロ円は反落。中東情勢が一段と悪化するとの警戒感が高まり、ダウ平均や日経平均先物が軟調に推移すると、リスク・オフの円買いが優勢となった。3時30分過ぎには一時157.89円と日通し安値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、3月28日以来約7カ月ぶりの安値を更新した。カタールが仲介役となり、イスラエルとハマスの間で人質解放の交渉が進み、地政学リスクが和らぐとの思惑もあったが、イスラエル軍報道官が「ガザへの地上作戦を拡大する」と表明すると中東情勢が一段と悪化するとの警戒感が高まり、リスク回避の売りが膨らんだ。個別に悪材料が出たシェブロンやJPモルガン・チェースが売られ、指数を押し下げた面もある。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発。予想を上回る決算を発表したアマゾン・ドット・コムが大幅高となり、相場を下支えした。

・米国債券相場で長期ゾーンは小幅ながら続伸。米物価指標の結果が伝わると米インフレ鈍化が意識されて買いが入ったものの、上値は限定的だった。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に様子見ムードが強まり、大きな方向感は出なかった。

・原油先物相場は反発。イスラエルとハマス停戦への期待が高まりつつあったものの、「イスラエルはハマスが求めた長期停戦に応じなかった」「イスラエルはガザ地区からの通信を遮断し、開戦以来最も大規模な攻撃を開始」と伝わり中東の石油供給に対する不安を高めた。原油相場は買いを強め24日以来、3日ぶりの86ドル回復をうかがう様相となった。

・金先物相場は3日続伸。イスラエルとハマスの停戦期待から下振れる場面もあった。しかしダウ平均が下落し、底堅く寄り付いたナスダック総合が上昇幅を縮小するなど米株は重い動き。安全資産とされる金に買い戻しが入り、小幅プラスで週の取引を終えた。

(中村)
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