欧州マーケットダイジェスト・12日 株まちまち・金利低下・円高・ドル高

(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.13円(12日15時時点比▲0.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.03円(▲1.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0647ドル(▲0.0064ドル)
FTSE100種総合株価指数:7995.58(前営業日比△71.78)
ドイツ株式指数(DAX):17930.32(▲24.16)
10年物英国債利回り:4.137%(▲0.064%)
10年物独国債利回り:2.359%(▲0.104%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月独CPI改定値
前月比                0.4%       0.4%
前年比                2.2%       2.2%
2月英国内総生産(GDP、前月比)    0.1%      0.3%・改
2月英鉱工業生産指数(前月比)    1.1%      ▲0.3%・改
   製造業生産高(前月比)     1.2%      ▲0.2%・改
2月英商品貿易収支     142.12億ポンドの赤字 140.97億ポンドの赤字・改
2月英貿易収支       22.91億ポンドの赤字  22.05億ポンドの赤字・改
3月仏CPI改定値
前月比                0.2%       0.2%
前年比                2.3%       2.3%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まる中、円売り・ドル買いが先行すると一時153.39円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を付けた。
 ただ、「イランの報復攻撃が48時間以内にも行われるとみて、イスラエルは備えを進めている」との報道をきっかけに中東の地政学リスクが高まると、原油先物価格が急騰し、時間外のダウ先物が下落。為替市場ではリスク・オフの円買いが強まった。前日の安値152.76円を下抜けると一時152.59円まで下げ足を速めた。
 もっとも、売り一巡後は買い戻しが優勢となり153円台前半まで値を戻している。米利下げ観測の後退を背景に押し目を拾いたい向きは多いもよう。円以外の通貨に対してはドル高が進んだ影響も受けた。

・ユーロドルは軟調。中東の紛争拡大リスクの高まりを背景にリスク・オフのドル買いが入ると一時1.0623ドルと昨年11月以来約5カ月ぶりの安値を付けた。米ミシガン大学が公表した4月米消費者調査で、消費者態度指数(速報値)は予想を下回ったものの、同時に発表された消費者の期待インフレは予想を上回った。昨日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会をきっかけに、ECBの利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まる一方、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始は想定より後にずれるとの観測が高まっており、欧米の金利差拡大への思惑からユーロ売り・ドル買いが出た面もあった。

・ユーロ円は下落。中東情勢の緊迫化を背景にダウ先物や日経平均先物が下落するとリスク・オフの円買いが優勢に。22時過ぎに一時162.28円と日通し安値を更新した。ただ、ドル円の下げ渋りにつれた買いが入ると163.12円付近まで下げ幅を縮めた。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比740円安の3万8810円まで急落した。

・スウェーデンクローナは軟調。対ドルでは一時10.9257クローナ、対ユーロでは11.6154クローナまで値を下げた。この日発表された3月スウェーデン消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことを受けた。

・ロンドン株式相場は反発。前日の米ハイテク株高などを追い風に買いが先行。原油や金など商品相場の上昇を背景に、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、シェルやBPなどエネルギー株に買いが集まった。ただ、中東情勢の緊迫化を背景に売りが出ると引けにかけて伸び悩んだ。

・フランクフルト株式相場は小幅ながら続落。ECBの利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まる中、買いが先行したものの、中東情勢の緊迫化を背景に投資家がリスク回避姿勢を強めると一転下落した。個別ではザルトリウス(3.07%安)やポルシェ(2.52%安)、インフィニオン・テクノロジーズ(2.26%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。中東情勢を巡る懸念から、相対的に安全な資産とされる独国債に買いが入った。

(中村)
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