NY株見通しー今週はアップルなどの決算発表、FOMC、雇用統計に注目

 今週のNY市場は決算発表、FOMC、雇用統計に注目。

 先週は主要3指数がそろって上昇した。ダウ平均が0.67%高と2週続伸し、S&P500は2.67%高と4週ぶりに反発。ハイテク株主体のナスダック総合は4.23%高と5週ぶりに大幅反発。S&P500とナスダック総合は昨年11月以来の大幅高を記録した。イランがイスラエルとの紛争をエスカレートさせるつもりはないとしたことで中東情勢悪化懸念が和らいだことや、足もとで大きく下落したハイテク・ジャイアントが週内に発表される決算発表を控えて買い戻されたことで上昇してスタートすると、総じて良好な決算発表が続いたことが好感された。

 1-3月期の個人消費支出(PCE)価格速報値が予想を上回る伸びとなりインフレ長期化懸念が強まったことや、決算内容や見通しが嫌気されメタ・プラットフォームズが急落したことが重しとなる場面もあったが、アルファベットやマイクロソフトが好決算を発表し大幅高となり、翌週に決算を発表するアマゾン・ドット・コムなども上昇し相場を押し上げた。

 今週は発表がピークを迎える第1四半期決算や、金融政策の先行き見通しを巡り、水曜日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)や、会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見、金曜日に発表される4月雇用統計に注目が集まる。

 決算発表はS&P500採用の150銘柄以上が発表予定で、月曜日にドミノ・ピザ、NXPセミコンダクターズ、火曜日にマクドナルド、イーライ・リリー、コカ・コーラ、3M、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、アマゾン・ドット・コム、スーパー・マイクロ・コンピューター、スターバックス、水曜日にCVSヘルス、ファイザー、クアルコム、エッツィ、木曜日にモデルナ、アップル、アムジェンなど。

 FOMCでは政策金利の据え置きが見込まれているが、足もとで強い物価指標の発表が続いていることで、インフレ見通しや金融政策の行方を巡るパウエルFRB議長発言が注目される。経済指標では金曜日に発表される4月雇用統計で、非農業部門雇用者数が3月分の30.3万人増から24.5万人増に減少が見込まれ、失業率は3月分から横ばいの3.8%が予想されているが、強い結果となれば利下げ期待が一段と後退することに要警戒となる。

 今晩の米経済指標・イベントは4月ダラス連銀製造業景況指数など。企業決算は寄り前にドミノ・ピザ、オン・セミコンダクター、引け後にNXPセミコンダクターズ、パラマウントF5ネットワークスウェルタワーなどが発表予定。
(執筆:4月29日、14:00)


(小針)
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