予想とまとめ

【東京為替予想】ドル円、堅調推移 ただし円買い介入の可能性には引き続き要警戒か
2023/09/25 08:00
 22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、日米金融政策の進め方の差異からドル買い・円売りが優勢となり148.41円付近まで堅調に推移して、欧州市場序盤の高値148.42円に迫った。ユーロドルは欧州市場の安値1.0615ドルから1.0672ドルまで強含みに推移した。


 本日の東京外国為替市場のドル円は、日米の金融政策の方向性の違いから底堅い展開が予想されるものの、引き続き本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。

 また、岸田首相は第2次岸田再改造内閣を発足させ、新内閣の下で物価高対策を含む経済対策を10月中に取りまとめる方針を示している。物価高対策では輸入物価抑制のための円安抑制の措置が打ち出される可能性には警戒しておきたい。

 先週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)でFF金利誘導目標5.25-50%が据え置かれたものの、年内2回のFOMCで5.50-75%までの追加利上げが示唆され、「より高い水準でより長く(higher for longer)」という方針が示された。一方で日銀金融政策決定会合では、現状の大規模な金融緩和策が維持され、植田日銀総裁が金融緩和を継続していく方針を示した。

 ドル円は日米の金融政策の方向性の相違を受けて、年初来高値の148円台まで上昇してきており、148円台での目標値は、148.77円(=127.23円+21.54円)となっている。

 本邦通貨当局の昨年秋の3回のドル売り・円買い介入は、ボラティリティーの抑制を名目に実施された。円買い介入が実施された水準は、ボリンジャー・バンドの+2σ付近であり、本日の+2σは148.90円付近に位置している。また、円買い介入の1つの目安となっているIMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円売り持ちポジションも、9月12日時点で10万枚を超えてきた。

 ドル円のトレンド系のテクニカル指標(順張り指標)では、依然として上昇基調が示唆されているが、オシレーター系指標(逆張り指標)は、弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)による反落が示唆され始めた。なお、本日の日足が陰線になれば、「二本立ち二羽烏」的なパターンとなり、反落の可能性が高まることになる。6月30日に145.07円から反落した時は、変則的な「三本立ち三羽烏」での反落だった。

今日のイベントスケジュール

9日 (時間は日本時間)
国内
08:303月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.5%)
08:303月家計調査(消費支出、予想:前年比0.2%)
08:504月外貨準備高
14:003月景気動向指数速報値(予想:先行107.5/一致115.9)
海外
15:004月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.6%/前年比2.5%)
15:00レーン・フィンランド中銀総裁、講演
16:004月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲33.0)
16:003月トルコ鉱工業生産
17:40ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
18:55バー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
19:45クーグラーFRB理事、講演
20:15ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
21:004月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比5.52%)
21:304月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化0.50万人/失業率6.8%)
21:30ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
21:30バーキン米リッチモンド連銀総裁、イベントに参加
22:10シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
23:00グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
10日
00:30ウォラーFRB理事、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、パネルディスカッションに参加
ロシア(戦勝記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

上値と下値の目安

ドル円 ドル円
2025/05/09 08:33
レジスタンス2 147.35(2/12-4/22下落幅の半値戻し)
レジスタンス1 146.54(3/11安値)
前日終値 145.91
サポート1 145.14(5/8レンジ61.8%水準)
サポート2 144.36(5日移動平均線)
ユーロドル ユーロドル
2025/05/09 08:34
レジスタンス2 1.1378(5/7高値)
レジスタンス1 1.1317(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1228
サポート1 1.1135(ピボット・サポート2)
サポート2 1.0943(4/10安値)
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