株式明日の戦略-大幅高スタートも場中は失速、32500円近辺で値を固められるか

 13日の日経平均は小幅反発。終値は17円高の32585円。米国株の大幅高を受けて200円超上昇して始まり、開始早々には上げ幅を300円超に広げた。しかし、32900円台に乗せたところで買いが一巡すると、以降は値を消す流れが続いた。前場では失速しても3桁高では推移した。しかし、後場は前引けから100円超水準を切り下げて始まると、ほどなくして下げに転じた。マイナス圏では売り急ぐ動きは見られなかった一方、買いは手控えられ、13時辺りからはプラス圏とマイナス圏を行き来する展開。終値では小幅ながらプラスを確保した。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆7400億円。業種別では倉庫・運輸、ゴム製品、保険などが上昇した一方、化学、海運、建設などが下落した。上期の計画上振れ着地や通期見通しの上方修正が好感された富士石油<5017.T>が急騰。半面、下方修正を発表した資生堂<4911.T>は、安く始まった後も売りが止まらずストップ安で終了。年初来安値を更新した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり608/値下がり1000。上方修正を発表した東京エレクトロンが、高寄り後に失速はしたものの上場来高値を更新した。半導体関連の東京精密やSUMCOのほか、任天堂やTDKなどグロース系の銘柄の動きが良かった。カバーは全市場の売買代金トップ10入りする大商いで10%近い上昇となった。ゼンショー、パンパシ、マクドナルドなど小売大手が決算を材料に急伸。上方修正と増配を発表した住友ゴムが14.7%高と値を飛ばした。

 一方、リクルート、ソニーG、日産自動車など、先週決算に対する反応が悪かった銘柄が軟調。化粧品では資生堂がストップ安となったが、ミルボンも下方修正を発表して年初来安値を更新しており、コーセーやファンケルなど同業が警戒売りに押された。上期が大幅な減益となったニトリが7%を超える下落。イーレックスやロート製薬が決算を材料に急落し、今期が大幅な最終赤字に転落する見通しとなった東邦亜鉛が場中値付かずのストップ安比例配分となった。

 米国動向からはきょうは派手な上昇もあるかと思われたが、日経平均は終わってみれば17円高。かろうじて下落を回避できた程度の動きにとどまった。決算がポジティブと受け止められた東京エレクトロンは伸び悩み、ネガティブと受け止められた資生堂はたたき売られており、日本株全体として下押し圧力が強かった。下げているわけではなく、高値(32913円)では11月6日につけた32766円を上回っているだけに、まずは32500円どころで値を固めることができるかが注目される。32500円より下には5日線(32447円、13日時点、以下同じ)、26週線(32220円)、75日線(32149円)、13週線(32107円)など、テクニカルの節目が多い。きょうも下げたところでは5日線がサポートになったように見える。これらより上をキープしていれば、再浮上のチャンスは出てくるだろう。一方、大きな下げとなってこれらを割り込んでしまうと、一気にチャートの形状が悪化してしまうため注意したい。
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