株式明日の戦略-後場に萎んで2桁の上昇、来週は材料難で上値が重いか

 12日の日経平均は3日ぶり反発。終値は80円高の39523円。

 日経平均は3日ぶり反発。高く始まったものの、一気に4万円をうかがうような動きは見られなかった。ファーストリテイリングが悪役となった格好だが、半導体株が主役になりきれなかったという印象もある。国内半導体株は弱くはなかったものの、米国でエヌビディア、アーム、マイクロン・テクノロジーなどが大幅高となった割には物足りない動きであった。10分割を発表したローツェがストップ高となっており、「半導体祭り」のお膳立ても整っていたが、そこまでの盛り上がりはなかった。足元で米国の長期金利上昇に対する警戒が高まっていることが、半導体株買いにブレーキをかけている可能性がある。来週は木曜18日にTSMCが決算を発表予定。この決算を受けた半導体株の動向が大きく注目される。

【来週の見通し】
 上値が重いか。国内は主力小売企業などの決算発表が一巡して材料難となる。そして、多くの企業は4月後半からスタートする本決算の発表を前に、売り買いが手控えられやすいタイミングとなる。米国では1-3月期の決算発表がスタートするほか、いくつか注目度の高い指標の発表があることから、海外からのニュースに対する反応が大きくなると思われる。ただ、米国は足元で長期金利が上昇傾向にある。また、円安が進行する中、政府・日銀の為替介入に対する警戒もくすぶる。決算待ちで主力銘柄を手がけづらい環境の中、動きが良くなれば利益確定やリスク回避目的の売りが出てくるだろう。上がりづらく下げやすい週になると予想する。

【今週を振り返る】
 堅調となった。前週末の米3月雇用統計が米国株の買い材料となったことから、日経平均は週明けの8日に300円を超える上昇。節目の39000円を上回った。9日も半導体関連銘柄がけん引役となって400円を超える上昇。連日の大幅高で下値不安が和らいだ。注目の米3月消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回り、米10年債利回りが4.5%台まで上昇。10日の米国株は大幅安となった。ただ、これを受けた11日は、下落したものの常識的な下げにとどまった。1ドル=153円台まで円安が進んだことが日本株を下支えした。12日はナスダックの史上最高値更新を好感して上昇し、週間でも上昇した。日経平均は週間では約531円の上昇となり、週足では3週ぶりに陽線を形成した。

【来週の予定】
 国内では、2月機械受注(4/15)、3月貿易収支、3月訪日外客数(4/17)、2月第3次産業活動指数、3月首都圏マンション発売(4/18)、3月全国消費者物価指数(4/19)などがある。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米3月小売売上高、米4月NAHB住宅市場指数(4/15)、中国3月小売売上高、中国3月固定資産投資、中国3月鉱工業生産、中国1-3月期GDP、独4月ZEW景況感指数、米3月住宅着工件数、米3月建設許可件数、米3月鉱工業生産、米3月設備稼働率(4/16)、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、米2月対米証券投資、米20年国債入札(4/17)、米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米3月中古住宅販売件数、G20財務大臣・中央銀行総裁会議(ワシントン)(4/18)などがある。
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