株式明日の戦略-主力株が上昇をけん引、FOMC議事要旨に要注目

 9日の日経平均は大幅反発。終値は340円高の39277円。米国株高を受けて大きく水準を切り上げて始まり、開始直後には上げ幅を500円超に拡大。節目の39500円には届かず早々に上値が重くなると、しばらく上げ幅を縮める流れが続いた。11時台にTOPIXは下げに転じ、日経平均も前場は安値圏で終了。一方、後場に入るとTOPIXが盛り返したことから、日経平均も前引けからは上げ幅を広げ、300円を超える上昇で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆6400億円。業種別では精密機器、小売、サービスなどが上昇した一方、鉱業、保険、電気・ガスなどが下落した。持分法適用関連会社を通じてライトオン<7445.T>にディスカウントTOBを仕掛けたワールド<3612.T>が大幅上昇。半面、ライトオンは急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり886/値下がり720。米エヌビディアの大幅高を好感して、レーザーテックやアドバンテストが大幅上昇。買収提案に関する観測を材料にセブン&アイが買いを集めた。キーエンス、リクルート、メルカリなどグロース系の主力銘柄が2%台の上昇。イオン系企業の決算が複数出てくる中、イオンディライトが急伸して年初来高値を更新した。ゼンショーHD、松屋フーズ、F&LCなど、外食株に動きの良いものが散見された。

 一方、原油安を嫌気してINPEXが3%安。三井物産や三菱商事など商社株も弱かった。米長期金利の低下を嫌気して東京海上やMS&ADなど保険株が軟調。円安一服に対する警戒からホンダや日産自動車など自動車株が敬遠された。決算が市場の期待に届かなかったイオンモールやイオンFSが大幅安。セブン&アイが買収絡みのニュースで人気化する中、セブン-イレブン向けの中食事業を展開するわらべや日洋は、通期見通しの引き下げを発表して急落した。

 日経平均は大幅高。上に値幅が出た割には下落銘柄が結構多く、きょうは主力大型株に引き上げてもらった上昇と言える。それでも、きのう割り込んだ節目の39000円をきょうは寄り付きから大きく上回っており、こういった動きが出てくると売りは仕掛けづらくなる。東京市場は翌週月曜が休場のため、あすは大幅安だけは回避したい局面。あす大きく崩れてしまうと、金曜11日は市場の空白が警戒されて売りが出やすくなる。

 本日、米国では9月開催のFOMC議事要旨が公表される。9月のFOMCでは0.50%の大幅利下げが決定されており、FRBは物価高の抑制にはかなりの自信を持っていると考えられる。その辺りを確認して本日の米国株が上昇するようなら、その後に出てくる米9月消費者物価指数(10日)や9月生産者物価指数(11日)も、株高を呼び込む材料になるとの期待が高まる。今週は米CPIやファーストリテイリング<9983.T>、セブン&アイ<3382.T>などの決算を消化する11日が重要な1日となるが、その前日である10日を無難に消化できるかに注目したい。
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