株式明日の戦略-不安定な動きが続き週間では小幅安、来週は米雇用統計を前に上値が重いか

 本日の東京時間ではドル円が円高に振れた。寄り前に発表された東京都区部の11月消費者物価指数が市場予想を上回る伸びとなったことで、日銀による追加利上げが意識されたと考えられる。12月はFOMCが17日~18日、日銀会合が18日~19日の日程で開催される。FOMCで利下げ、日銀会合で利上げが実施された場合、日米金利差の観点からはドル円は円高(ドル安)に振れやすくなる。FOMCで利下げがスキップされたとしても、日銀が利上げに踏み切れば円高に振れると思われる。日銀が動くのであれば、事前にマーケットに織り込ませようとするだろう。今週はトランプ氏のSNS発信に振り回されたが、12月中盤までは日銀関連のニュースにも注意が必要となる。


【来週の見通し】
 上値が重いか。12月相場に入り、金曜6日には米国で11月雇用統計が発表される。12月のFOMCでは利下げがスキップされるかもしれないとの見方も浮上しているだけに、今回の雇用統計は大きな注目を集める。米雇用統計がそこまで強い内容でなければ12月の利下げおよび米国株高継続に対する期待が高まるだけに、売り急ぎは抑制されると思われる。ただ、足元堅調な米国株も重要指標の発表を前にしては様子見姿勢が強まるであろうから、日本株は買い手控えムードの強い地合いが続くと予想する。


【今週を振り返る】
 荒い動きが続いて週間では小幅に下落した。週明け25日の日経平均は500円近い上昇。米国株高を好感した買いが入り、一時39000円を上回った。しかし、トランプ氏が中国、メキシコ、カナダに関税を課すとSNSで発信したことが伝わったことで、26日は大幅安。27日も警戒売りに押されて連日で300円を超える下落となり、一時38000円を下回った。28日も「トランプ・リスク」を警戒して安く始まったが、一部の半導体株に強い買いが入って切り返し、200円を超える上昇。ただ、その半導体株が反動売りに押されたことで29日は下落し、週間でも下落した。日経平均は週間では約75円の下落となり、週足では陰線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、7-9月期四半期法人企業統計調査、11月新車販売台数、11月軽自動車販売台数(12/2)、11月マネタリーベース、10年国債入札(12/3)、30年国債入札(12/5)、10月毎月勤労統計調査、10月家計調査、10月景気動向指数(12/6)などがある。

 企業決算では、伊藤園(12/2)、内田洋(12/3)、ティーライフ(12/4)、積水ハウス(12/5)、アインHD、カナモト、アイル、日駐、ソフトウェアサー、ロックフィール、エターナルホスヒ、日本スキー、日ハウスHD、エイチーム(12/6)などが発表を予定している。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、中国11月国家統計局製造業PMI(11/30)、11月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)、米11月ISM製造業景況指数、米サイバーマンデー(12/2)、米10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数(12/3)、米11月ADP雇用統計、米10月製造業新規受注、米11月ISM非製造業景況指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)(12/4)、米10月貿易収支(12/5)、米11月雇用統計、米12月ミシガン大学消費者態度指数、米10月消費者信用残高(12/6)などがある。

 米企業決算では、セールスフォース(12/3)、キャンベル・スープ、ダラー・ツリー、ホーメル・フーズ(12/4)、ヒューレット・パッカード・エンタープライス、ルルレモン・アスレティカ、ダラー・ゼネラル、クローガー、アルタ・ビューティー(12/5)などが発表を予定している。
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