NYマーケットダイジェスト・10日 株安・金利上昇・円高

(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.73円(前営業日比▲0.41円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.59円(▲1.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0244ドル(▲0.0056ドル)
ダウ工業株30種平均:41938.45ドル(▲696.75ドル)
ナスダック総合株価指数:19161.63(▲317.25)
10年物米国債利回り:4.76%(△0.07%)
WTI原油先物2月限:1バレル=76.57ドル(△2.65ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2715.0ドル(△24.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
12月米雇用統計
失業率     4.1%       4.2%
非農業部門雇用者数変化
       25.6万人    21.2万人・改
平均時給
(前月比)   0.3%       0.4%
(前年比)   3.9%       4.0%
1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
        73.2        74.0

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは4日続落。米労働省が発表した12月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比25.6万人増と予想の16.0万人増を大幅に上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%より強い結果となった。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止の論拠を裏付ける内容」との受け止めから、米長期金利が急伸し、全般ドル買いが活発化した。2日に付けた直近安値の1.0226ドルを下抜けると一時1.0215ドルと2022年11月以来の安値を更新した。売りが一巡すると1.0278ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.7860%前後と23年11月以来の高水準を記録した。

・ドル円は続落。良好な米雇用統計をきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢となり、一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を付けた。
 ただ、米国株相場の大幅下落を背景にリスク・オフの円買いが優勢になると、0時30分前には一時157.23円と日通し安値を更新した。ユーロ円などクロス円の下落につれた売りも出た。

・ユーロ円は4日続落。ダウ平均が一時750ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。1時30分過ぎには一時161.21円と日通し安値を更新した。

・カナダドル円は上値が重かった。カナダ統計局が発表した12月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が9.09万人増と予想の2.50万人増を上回り、失業率が6.7%と予想の6.9%より強い内容だったことが分かると買いが先行。22時30分過ぎに一時110.19円と日通し高値を付けた。ただ、米国株安に伴うリスク回避の円買いが優勢になると、1時30分過ぎに一時本日安値となる109.15円まで値を下げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。12月米雇用統計が予想を上回るとFRBによる利下げペースが鈍化するとの観測が改めて強まり、米長期金利が急上昇。株式の相対的な割高感が意識されて売りが膨らんだ。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落。米金利上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが集まった。

・米国債券相場で長期ゾーンは下落。12月米雇用統計が予想を上回ったことが分かると、FRBによる利下げペースが鈍化するとの観測が改めて強まり売りが優勢となった。利回りは一時4.7860%前後と2023年11月以来の高水準を付けた。米ミシガン大学が公表した1月米消費者調査で期待インフレ率が予想を上回ったことも債券売りを誘った。

・原油先物相場は続伸。米政府がロシア石油大手のガスプロムネフチとスルグトネフテガスを新たに経済制裁の対象としたと発表したことを受けてエネルギー供給混乱への警戒感から買いが優勢に。昨年10月上旬以来、約3カ月ぶりの高値を付けた。

・金先物相場は4日続伸。米国株が大きく下落したことで安全資産とされる金需要の高まりが意識された。

(中村)
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