NY株見通し-今週は12月CPIなどの物価指標とJPモルガンなどの4Q決算発表に注目

 今週のNY市場は物価指標と決算発表に注目。先週はダウ平均が1.86%安、S&P500が1.94%安、ナスダック総合が2.34%安と3指数がそろって2週続落した。12月ISM非製造業PMIなどの経済指標が予想を上回る強い結果となったことや、トランプ次期政権の輸入関税引き上げ方針を背景としたインフレ高進見通しを背景に米10年債利回りが上昇したことが重しとなる中、週末金曜日に発表された12月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく上回ったことや失業率が予想に反して改善したことで、年内の利下げ期待が後退したことや、米10年債利回りが一段と上昇し、2023年11月以来となる4.763%に上昇したことが相場の重しとなった。金利上昇の影響をより大きく受ける小型株指数のラッセル2000は3.49%安と3週ぶりの大幅反落となった。利下げ見通しを巡ってはCMEのフェドウォッチ・ツールの1月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は97%となり、3月FOMCでの金利据え置き確率も1週間前の52%から78%に上昇した。

 今週は利下げ見通しを巡り12月生産者物価指数(PPI)や12月消費者物価指数(CPI)などの物価指標に注目が集まるほか、JPモルガン・チェースなどの大手金融機関を皮切りに発表がスタートする第4四半期決算に注目が集まる。水曜日に発表される12月CPIは前月比+0.3%と11月から横ばいが見込まれ、前年比では+2.8%と11月の+2.7%から上昇が予想されている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.2%と11月の+0.3%から減速が見込まれているが、前年比では+3.3%と11月から横ばいが見込まれている。火曜日発表の12月PPIは前年比+3.4%と11月の+3.0%から伸びの加速が見込まれ、前月比では+0.3%と11月の+0.4%から鈍化が予想されている。CPIなどが予想を上回る伸びとなれば利下げ期待の一段の後退が相場の重しとなりそうだ。このほかの経済指標は新規失業保険申請件数、12月小売売上高(以上、木曜日)、12月建設許可件数、12月住宅着工件数、12月鉱工業生産(以上、金曜日)など。決算発表は水曜日にJPモルガン・チェース、ブラックロック、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、木曜日にユナイテッドヘルス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、金曜日にSLB, ステート・ストリート、リージョンズ・ファイナンシャルが発表予定。

 今晩の米経済指標・イベントは12月雇用傾向指数、12月財政収支など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:1月13日、14:00)

(山下)
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