NYマーケットダイジェスト・14日 株大幅高・金利上昇・円安・金最高値

(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.64円(前営業日比△0.83円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.69円(△1.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0879ドル(△0.0027ドル)
ダウ工業株30種平均:41488.19ドル(△674.62ドル)
ナスダック総合株価指数:17754.09(△451.08)
10年物米国債利回り:4.31%(△0.04%)
WTI原油先物4月限:1バレル=67.18ドル(△0.63ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=3001.1ドル(△9.8ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
         57.9       64.7

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。日本時間夕刻に一時149.02円まで上昇した影響が残った。
 NY市場序盤は3月米ミシガン大学消費者態度指数速報値が予想を下回った一方、同時に発表された1年先・5年先の期待インフレ率が予想を上回ったため、売買が交錯。指標発表直後には148.89円付近まで上げたものの、1時30分過ぎには148.26円付近まで押し戻された。
 ただ、NY午後に入るとじりじりと下値を切り上げる展開に。米政府機関の一部閉鎖が回避される可能性が高まったことなどが好感されて、ダウ平均が一時700ドル超上昇。米国株の大幅反発に伴う円売り・ドル買いが出て148.67円付近まで持ち直した。市場では「一目均衡表転換線が位置する148.36円が意識されている状況」との声も聞かれた。

・ユーロドルは3日ぶりに反発。欧州時間に「独主要与野党は、国防費支出の増加などを含めた財政パッケージを巡り『緑の党』と合意した」と伝わった。ドイツで拡張的な財政政策が早期に実現するとの見方が強まると、ユーロ買い・ドル売りが優勢となり一時1.0912ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、11日に付けた5カ月ぶりの高値1.0947ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。ユーロ円の失速や米長期金利の上昇も相場の重しとなり、23時30分過ぎに一時1.0866ドル付近まで下押しした。
 もっとも、NY午後に入ると1.0880ドルを挟んだ狭いレンジ取引に終始した。来週18-19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)やウクライナ停戦合意の行方などを見極めたいとの思惑から様子見ムードが広がった。

・ユーロ円は反発。ドイツで財政拡大策が実現に向かうことへの期待が高まる中、欧州時間には162.33円と日通し高値を付ける場面があった。ただ、NY市場では12日の高値162.36円がレジスタンスとして意識され、じり安の展開に。1時前には161.28円付近まで下押しした。
 もっとも、引けにかけては米国株高やドル円の買い戻しにつれた動きとなり、161.80円付近まで持ち直した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに大幅反発。トランプ米政権の関税政策を背景に激化する通商摩擦が景気の悪化を招くとの懸念から、足もとで相場下落が続いたあとだけに、自律反発狙いの買いが入った。米政府機関の一部閉鎖が回避される可能性が高まったことも投資家心理の改善につながり、指数は一時700ドル超上昇した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅に反発。テスラやマイクロン・テクノロジーなどが上昇した。

・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米国株相場の大幅反発を受けて債券売りが広がった。米ミシガン大学が公表した3月米消費者調査で期待インフレ率が予想を上回ったことも売りを誘った。

・原油先物相場は反発。3月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値が低調な結果となり、エネルギー需要の減少を懸念した売りで時間外の上昇分を吐き出す場面があった。もっとも、株式市場が大幅に反発し、リスク回避の巻き戻しが原油市場にも波及。週引けにかけて、67ドル前半で底堅く推移した。

・金先物相場は4日続伸し、中心限月の清算値ベースで史上初の3000ドル超えを記録。時間外から買い優勢となり、節目の3000ドルを超えると3017ドル付近まで上げ足を速めた。もともと地合いが強かったところに、為替のドル安進行がドル建て金を押し上げた。NY勢の本格参入後からは利益確定売りで伸び悩むも、貿易摩擦による景気減速への懸念が残るなか、安全資産とされる金への買い意欲は強いままだった。

(中村)
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