NYマーケットダイジェスト・21日 株安・債券安・ドル安

(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.68円(前営業日比▲0.83円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.79円(▲0.26円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1331ドル(△0.0048ドル)
ダウ工業株30種平均:41860.44ドル(▲816.80ドル)
ナスダック総合株価指数:18872.64(▲270.07)
10年物米国債利回り:4.60%(△0.11%)
WTI原油先物7月限:1バレル=61.57ドル(▲0.46ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3313.5ドル(△28.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比)  ▲5.1%       1.1%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。「米国は米韓協議でウォン高に向けた対策を要求した」との一部報道を受けて、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議にあわせて開催される日米財務相会談や米関税措置を巡る3回目の日米交渉を前に、円安是正議論への思惑が高まり、円買い・ドル売りが先行した。
 NY午後に入り、米財務省が実施した20年債入札が「低調」と受け止められると、米長期金利が一段と上昇し、米国株相場がさらに下落。リスク回避の円買い・ドル売りも入り、2時30分前に一時143.29円と7日以来の安値を更新した。
 なお、加藤財務相は本日、カナダ・バンフでベッセント米財務長官と会談したと伝わった。また、赤沢経済財政・再生相は23日に訪米し、3回目の日米関税交渉に臨む予定となっている。

・ユーロドルは3日続伸。米長期金利の上昇や米国株相場の下落を受けて、米国の「トリプル安(株安・債券安・通貨安)」を意識したドル売りが進んだ。低調な米20年債入札をきっかけに米トリプル安の様相がさらに強まると、2時30分前に一時1.1363ドルと日通し高値を更新した。
 なお、米10年債利回りは一時4.6025%前後と2月13日以来の高水準を付けたほか、米株式市場でダウ平均は一時890ドル超下落した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.34まで低下した。

・ユーロ円は3日ぶりに反落。ユーロドルの上昇につれた買いが入ると一時163.31円と日通し高値を付けたものの、ドル円の下落につれた売りが出ると上値が重くなった。米国株相場の下落に伴うリスク・オフの円買い・ユーロ売りも入ると、5時前に一時162.63円と日通し安値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。米財政悪化を巡る懸念から米長期金利が上昇すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが先行。低調な米20年債入札をきっかけに米長期金利が一段と上昇すると、株売りが加速し一時890ドル超下落した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落。プラス圏で推移する場面もあったが、低調な米20年債入札をきっかけに売りが強まると下げに転じた。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米財政悪化への懸念から売りが先行。20年債入札が「低調」と受け止められると売りが加速し、利回りは一時4.6025%前後と2月13日以来の高水準を付けた。

・原油先物相場は続落。一部報道が「イスラエルがイラン核施設への攻撃を準備している」と報じ、中東情勢の悪化から原油供給の混乱が懸念された。これを受けて時間外では64ドル前半まで急騰するも、買いの勢いは続かなかった。米エネルギー省(EIA)がこの日発表した週間在庫統計では、一部で取り崩し予想の原油が積み増しとなり、需給の緩みを意識した売りがでた。

・金先物相場は3日続伸。「イスラエルがイランの核施設攻撃を計画」という一部報道を受け、中東の地政学リスクの高まりが意識されると時間外から3300ドル台で強含んだ。NY勢の本格参入後は持ち高調整の売りに押されるも、低調な米20年債入札をきっかけに米トリプル安(株安・債券安・通貨安)の様相となり、安全資産とされる金は底堅さを取り戻して終えた。

(中村)
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