NYマーケットダイジェスト・30日 株年初来安値・金利上昇・オセアニア通貨軟調

(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.74円(前営業日比△0.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=141.88円(△0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9802ドル(▲0.0013ドル)
ダウ工業株30種平均:28725.51ドル(▲500.10ドル)
ナスダック総合株価指数:10575.62(▲161.89)
10年物米国債利回り:3.83%(△0.04%)
WTI原油先物11月限:1バレル=79.49ドル(▲1.74ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1672.0ドル(△3.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
8月米個人消費支出(PCE、前月比)    0.4%     ▲0.2%・改
   PCEデフレーター(前年比)    6.2%       6.4%
   PCEコアデフレーター(前月比)  0.6%      0.0%・改
   PCEコアデフレーター(前年比)  4.9%      4.7%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。日本時間夕刻に一時144.21円と日通し安値を付けたものの、前日の安値144.07円が目先サポートとして働くと買い戻しが進んだ。日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛で、4時30分過ぎに一時144.81円と日通し高値を更新した。
 米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比4.9%上昇と予想の4.7%上昇を上回ったことも相場の支援材料となった。米10年債利回りは取引終盤に3.83%台まで上昇した。
 ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒感から節目の145円には届かなかった。市場では22日の円買い介入が行われた145円台が防衛ラインとして意識されている。

・ユーロドルは3日ぶりに小反落。高インフレと主要中銀の大幅利上げ長期化がユーロ圏景気の後退懸念を強めており、ユーロ売り・ドル買いが出やすかった。22時30分前には一時0.9735ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、9月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)や9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値が予想を下回ったことが分かるとドル売りで反応。24時30分前には0.9818ドル付近まで下げ渋る場面があった。市場では「月末・四半期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測された」との声も聞かれた。

・オセアニア通貨は軟調だった。一時は130ドル超上昇したダウ平均が500ドル超下落するなど、米株式相場が軟調に推移するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは0.6392米ドル、NZドル米ドルは0.5591米ドルまで売られたほか、豪ドル円は92.52円、NZドル円は80.95円まで値を下げた。

・ユーロ円は小幅ながら3日続伸。22時30分前に一時140.79円と日通し安値を付けたものの、そのあとはドル円の上昇とユーロドルの下げ渋りにつれた買いが入り142円台前半まで持ち直した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、2020年11月以来の安値となった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も20年11月以来の安値を更新した。FRBの積極的な金融引き締めがリセッションを招くとの懸念から、売りが優勢となった。6-8月期決算で収益性懸念が強まったナイキが大きく下落し、1銘柄でダウ平均を70ドルほど押し下げた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落し、20年7月以来の安値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。月末・期末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが先行したものの、NY午後に失速した。FRBによる金融引き締め長期化観測を背景に、引けにかけて売りが強まった。

・原油先物相場は続落。ハリケーン「イアン」がサウスカロライナ州に上陸したことや、石油輸出国機構(OPEC)が来週追加減産について話し合いが持たれるとの報道で、原油先物は強含む場面もあった。しかしながら、アジア時間や欧州時間に軟調な動きを見せていたドルが買い戻されたことや、米株が徐々に下げ幅を広げたことなどを嫌気し原油先物は続落して引けた。

・金先物相場は反発。米債利回りが低下したことで金先物は一時1680ドル台まで上昇した。しかしながら、徐々にドルに買い戻しが入ると、ドルで取引される金先物は割高感から上値が重くなり上げ幅を大きく縮小して引けた。

(中村)
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