【松のすっとびストラテジー】(1)原油:年明け以降の需給は改めて引き締まって・・・
原油 ・・・ 目先は流れが一段と強気に転じると予想する。世界的な景気の悪化や需要の落ち込みに対する懸念は依然として大きな重石となっておいるが、ここから一段と大きく値を切り下げるような動きにはつながらないだろう。16日には米エネルギー省が、手始めに300万バレルの戦略備蓄原油を買い戻す方針を示した。プーチン大統領が報復措置として、プライスキャップ制への参加国に対する石油供給の停止を示唆していることや、禁輸措置によるロシアの輸出減少にも注意が必要、年明け以降世界需給は改めて引き締まってくることになるだろう。 〓強気〓
天然ガス ・・・ 目先は本格的な冬の到来を迎える中で、流れが一段と強気に傾くと予想する。年末には寒さが緩むとの予報が出る中、夜間取引では売りが先行しているが、今週後半には冬の嵐に見舞われると見られていることも忘れるべきではない。大きな押し目は基本的に買いのチャンスと捉えたい。在庫は依然として平年を2.0%下回るという水準にあり、早い時期から寒波が居座り、在庫の大幅な取り崩しが続くなら、春先に深刻な供給不足に陥るとの懸念が高まるのは避けられないだろう。今の価格水準は、やはり割安と受け止めてよいのではないか。 〓強気〓
金 ・・・ 目先しばらくは米長期金利やドルの値動きを睨み、不安定な上下を繰り返すかもしれないが、中長期的には流れが強気に転じると予想する。政策金利が景気抑制的な水準にまで上昇したことで、今後経済活動が目に見えて鈍化してくるのは避けられないと見ておいたほうがよい。リセッションに対する懸念が一段と強まり、株価の下落に歯止めが掛からなくなれば、安全資産としての需要がしっかりと相場を押し上げるようになるだろう。 〓強気〓
株価指数 ・・・ 目先は流れが一段と弱気に傾くと予想する。先のFOMCでターミナルレートの見通しが予想以上に引き上げられ、パウエル議長が来年度中の利下げ転換の可能性を否定したことは、引き続き大きな重石となるだろう。雇用市場が堅調で、賃金上昇圧力が弱まっていないことを考えれば、早期にインフレが大きく後退する可能性は低く、場合によってはターミナルレートが一段と引き上げられるシナリオも頭にいれておく必要があるかもしれない。中長期的にはインフレの進行に代わって、景気の更なる悪化に対する懸念が更に売りを呼び込むことになりそうだ。 〓弱気〓
為替 ・・・ 目先は流れが徐々にドル安に傾いてくると予想する。米経済がリセッションに陥るとの懸念から株価が下落基調を一段と強めてくれば、米国市場から資金が流出するとの見方がそれ以上のドル売り要因となるだろう。米長期金利の上昇が止まっていることも、大きな重石となりそうだ。状況が大きく変化する中、しばらくは値動きが不安定な状態が続くと思われるが、年明け以降は流れもはっきりと見えてくるのではないか。 〓ドル安〓
※この記事は松本英毅氏より提供を受けております。著作権は同氏が有しており、無断での転載・引用等は固くお断りいたします。
執筆者略歴
松本英毅(まつもと えいき)
よそうかい・グローバル・インベスターズ・インク代表。
会員制米国市場情報サイト「よそうかい.com 」を運営。
ニューヨークを拠点に活動し、実際のトレードに役立つ情報提供を身上とする。
金融から商品市場まで幅広い知識を有しており、一つの銘柄に捉われることなく総合的な判断を下すことができるのが強み。
中でも、1バレル=10ドル時代から追い続けてきた原油市場については造詣が深い。
トレード経験を活かした切り口の鋭い分析に定評がある。
なお、「米国商品情報を活用して待ち伏せする先取り株式投資術」の著者としても知られている。
(小針)
天然ガス ・・・ 目先は本格的な冬の到来を迎える中で、流れが一段と強気に傾くと予想する。年末には寒さが緩むとの予報が出る中、夜間取引では売りが先行しているが、今週後半には冬の嵐に見舞われると見られていることも忘れるべきではない。大きな押し目は基本的に買いのチャンスと捉えたい。在庫は依然として平年を2.0%下回るという水準にあり、早い時期から寒波が居座り、在庫の大幅な取り崩しが続くなら、春先に深刻な供給不足に陥るとの懸念が高まるのは避けられないだろう。今の価格水準は、やはり割安と受け止めてよいのではないか。 〓強気〓
金 ・・・ 目先しばらくは米長期金利やドルの値動きを睨み、不安定な上下を繰り返すかもしれないが、中長期的には流れが強気に転じると予想する。政策金利が景気抑制的な水準にまで上昇したことで、今後経済活動が目に見えて鈍化してくるのは避けられないと見ておいたほうがよい。リセッションに対する懸念が一段と強まり、株価の下落に歯止めが掛からなくなれば、安全資産としての需要がしっかりと相場を押し上げるようになるだろう。 〓強気〓
株価指数 ・・・ 目先は流れが一段と弱気に傾くと予想する。先のFOMCでターミナルレートの見通しが予想以上に引き上げられ、パウエル議長が来年度中の利下げ転換の可能性を否定したことは、引き続き大きな重石となるだろう。雇用市場が堅調で、賃金上昇圧力が弱まっていないことを考えれば、早期にインフレが大きく後退する可能性は低く、場合によってはターミナルレートが一段と引き上げられるシナリオも頭にいれておく必要があるかもしれない。中長期的にはインフレの進行に代わって、景気の更なる悪化に対する懸念が更に売りを呼び込むことになりそうだ。 〓弱気〓
為替 ・・・ 目先は流れが徐々にドル安に傾いてくると予想する。米経済がリセッションに陥るとの懸念から株価が下落基調を一段と強めてくれば、米国市場から資金が流出するとの見方がそれ以上のドル売り要因となるだろう。米長期金利の上昇が止まっていることも、大きな重石となりそうだ。状況が大きく変化する中、しばらくは値動きが不安定な状態が続くと思われるが、年明け以降は流れもはっきりと見えてくるのではないか。 〓ドル安〓
※この記事は松本英毅氏より提供を受けております。著作権は同氏が有しており、無断での転載・引用等は固くお断りいたします。
執筆者略歴
松本英毅(まつもと えいき)
よそうかい・グローバル・インベスターズ・インク代表。
会員制米国市場情報サイト「よそうかい.com 」を運営。
ニューヨークを拠点に活動し、実際のトレードに役立つ情報提供を身上とする。
金融から商品市場まで幅広い知識を有しており、一つの銘柄に捉われることなく総合的な判断を下すことができるのが強み。
中でも、1バレル=10ドル時代から追い続けてきた原油市場については造詣が深い。
トレード経験を活かした切り口の鋭い分析に定評がある。
なお、「米国商品情報を活用して待ち伏せする先取り株式投資術」の著者としても知られている。
(小針)