予想とまとめ

【東京為替予想】ドル円は堅調推移だが、FOMCでの0.50%利下げ警戒で上値限定か
2024/09/18 08:00
 17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は142.47円まで大幅上昇。予想を上回る8月米小売売上高や8月米鉱工業生産、9月米NAHB住宅市場指数を受けて、米長期金利の上昇や日経平均先物の上昇を背景にドル高円安が進行した。ユーロドルは1.1111ドルまで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、明朝3時の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明での0.50%の利下げ観測がやや後退したものの可能性は依然として残されているため、ここからの上値は限定的だと思われる。

 昨日のドル円は短期的な攻防の分岐点である日足一目均衡表・転換線141.91円を上抜けて142円台半ばまで上昇した。予想を上回る米8月小売売上高を受けて、FOMCでの0.50%の利下げ確率がやや低下したことが影響した。

 しかし前回8月15日の米7月小売売上高への反応を見ると、予想比上振れを受けてドル円は同月5日の令和のブラックマンデー以来の戻り高値149.39円まで上昇したが、ドル高は一時的だった。そのため、昨日の予想より強かった小売売上高によるドル高反応も、FOMCでの利下げ幅次第で一過性となる可能性には警戒しておきたい。

 ドル円の142円台は、12日にウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が0.50%の利下げの可能性を示唆した水準であり、0.50%の利下げ観測台頭による16日の安値139.58円までの下げが「往って来い」になった。同記者は、パウエルFRB議長のスポークスマン的な存在であり、これまでパウエルFRB議長の意図を配信することで知られてきた。

 WSJ紙は『FRB利下げのジレンマ:大きく始めるか、小さく始めるか(The Fed’s Rate-Cut Dilemma: Start Big or Small?)』と題し、「関係者は今後数カ月で複数回の利下げが可能であるとの自信を示しており、伝統的な0.25%の引き下げか、より大きな0.50%の引き下げかについての議論が行われている」と報じた。

 さらに英紙フィナンシャルタイムズも、0.50%の利下げが実施される選択肢はなお残っていると報じ、ダドリー前米NY連銀総裁も0.50%の利下げを実施する強い論拠があるとの認識を示した。もし、FOMCでの利下げ幅が0.25%だった場合、WSJ紙、FT紙、ダドリー前米NY連銀総裁への信頼が失墜することになる。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、FOMCで0.25%の利下げを予想する確率は37%程度にやや上昇し、0.50%の利下げを予想する確率は63%程度にやや低下している。

今日のイベントスケジュール

15日 (時間は日本時間)
国内
08:5012月マネーストックM2
海外
12:15レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
16:0012月独卸売物価指数(WPI)
16:0012月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比2.6%)
16:0012月英CPIコア指数(予想:前年比3.4%)
16:0012月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.7%/前年比3.8%)
16:4512月仏CPI改定値(予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
17:00デギンドスECB副総裁、講演
17:30ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
17:35ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
19:0011月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年比▲1.9%)
21:00MBA住宅ローン申請指数
22:3011月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.5%)
22:3011月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.7%)
22:301月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:3.0)
22:3012月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比2.9%)
エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比3.3%)
23:20バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
24:00カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
16日
00:30EIA週間在庫統計
01:00ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
01:0012月ロシアCPI(予想:前月比1.6%)
02:00グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
04:00米地区連銀経済報告(ベージュブック)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

上値と下値の目安

ドル円 ドル円
2025/01/15 07:55
レジスタンス2 159.45(2024/7/12高値)
レジスタンス1 158.87(1/10高値)
前日終値 157.96
サポート1 157.12(1/14安値)
サポート2 156.24(1/6安値)
ユーロドル ユーロドル
2025/01/15 07:57
レジスタンス2 1.0458(2024/12/30)
レジスタンス1 1.0359(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0308
サポート1 1.0239(1/14安値)
サポート2 1.0000(心理的節目)
ポンド円 ポンド円
2025/01/15 08:10
レジスタンス2 194.78(1/10高値)
レジスタンス1 193.95(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 192.95
サポート1 191.50(1/14安値)
サポート2 190.08(1/13安値)
NZドル円 NZドル円
2025/01/15 08:14
レジスタンス2 89.74(日足一目均衡表・雲の上限)
レジスタンス1 88.97(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 88.52
サポート1 87.86(1/14安値)
サポート2 87.06(1/13安値)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。