予想とまとめ

【ポンド円、加ドル円】英・加中銀の次の一手を探る展開
2023/09/23 03:35
◆ポンド、英中銀は15会合ぶりの金利据え置きも意見分かれる
◆ポンド、月末・四半期末に絡んだフローに注意
◆加ドル、CPI加速で追加利上げ観測広がり始める

予想レンジ
ポンド円 179.00-184.00円 
加ドル円 107.50-111.50円 

9月25日週の展望
 ポンドは、イングランド銀行(英中銀、BOE)が15会合ぶりに利上げを見送った影響を見極める展開か。21日に英中銀は金融政策委員会(MPC)の結果を公表し、9人の委員中5人のみ賛成という僅差で政策金利を5.25%で据え置くことを決定した。ベイリーBOE総裁は据え置きを主張し、反対した4人は全て0.25ポイントの引き上げを望んだ。今後は利上げを訴えたカンリフ副総裁、ハスケル、マン、グリーン委員たちがどのような見解を示すのか注目される。総裁の意向に反して引き締めに固執するようであれば、金融政策の先行き不透明感が増すことになりそうだ。

 英金融政策に対する市場予想は「5.50%に引き上げ」とされていたため、決定に対する相場の反応はポンド売り。もっとも、20日のMPC投票前に発表された8月英消費者物価指数(CPI)が前年比6.7%と前回値や上振れ予想を下回り、2022年2月以来の低水準記を記録。そのため中銀発表前には、短期金融市場での利上げ織り込み度は50%程度まで縮小していた。

 ただし、英・長期債利回りも一巡後は上昇に転じるなど、英金利先安観は強まらず。英中銀は「今後、インフレ率が劇的に低下する」との見通しを示しているものの、市場はまだ懐疑的な見方のようだ。なお、経済協力開発機構(OECD)は、英国の2023年インフレ率予測を7.2%とし、6月時点の6.9%から引き上げた。主要先進国のなかで最も高いインフレ率が見込まれている。

 25日週の英経済指標は29日に4-6月期国内総生産(GDP)改定値が発表される程度。それよりも、月末、四半期末に絡んだ売買に振らされる可能性がある。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシング前後で荒い値動きとなることも多く、持ち高の管理には気を付けておきたい。

 加ドルは、米金利や原油相場の動向を眺めながらも下値は限られた展開となりそうだ。足もとのインフレ率が想定以上に加速し、カナダ中銀(BOC)が10月会合で利上げに踏み切るとの観測が広がっていることが加ドルの支えとなっている。19日発表の8月カナダ消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%と前回や予想から上振れ、4カ月ぶりの水準まで上昇した。市場は7-9月期インフレ率が約3.8%と見込み始めており、そうなるとBOCが7月報告書で示した3.3%予想を大きく上回ることになる。今年残された中銀会合は10月と12月の2回。米国でも金利先高観が強まる中、現行5.0%からの政策金利引き上げが意識されることになりそうだ。

9月18日週の回顧
 ポンドは週半ばから後半にかけて下値を試した。対円では183円半ばから180円後半、対ドルでは1.24ドル前半から1.22ドル半ばまで下落。予想を下回った英CPIや英中銀の金利据え置きがポンド売りを促した。また、米金利が上昇基調を強めたこともドル高ポンド安に繋がった。

 加ドルは買いが先行し、対円では110円半ば、対ドルでも1.33加ドル後半まで加ドル高に傾いた。上昇幅を広げた原油先物、予想比上振れのカナダCPIに後押しされた。もっとも週後半にかけては、リスクセンチメントの悪化が重しとなり加ドルの売り戻しが優勢となった。(了)

国内イベントスケジュール

2025/01/13 06:00
13日
成人の日の祝日で休場
14日
08:5011月国際収支速報
10:30氷見野良三日銀副総裁、あいさつ
14:0012月景気ウオッチャー調査
15日
08:5012月マネーストックM2
16日
08:5012月企業物価指数
17日
08:50対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

海外イベントスケジュール

2025/01/13 06:10
13日
06:4511月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
12:15レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、レーン・フィンランド中銀総裁、講演
16:0011月トルコ経常収支
17:0012月スイスSECO消費者信頼感指数
19:3012月インド消費者物価指数(CPI)
14日
04:0012月米月次財政収支
08:301月豪ウエストパック消費者信頼感指数
17:00ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
17:30ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
22:3012月米卸売物価指数(PPI)
食品とエネルギーを除くコア指数
24:00シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、あいさつ
15日
01:0012月ロシアCPI
05:05ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
16:0012月英CPI
16:00CPIコア指数
小売物価指数(RPI)
16:4512月仏CPI改定値
17:30ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
17:35ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
19:0011月ユーロ圏鉱工業生産
21:00MBA住宅ローン申請指数
22:3011月カナダ製造業出荷
22:3011月カナダ卸売売上高
22:301月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
22:3012月米CPI
エネルギーと食品を除くコア指数
23:20バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
24:00カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
16日
00:30EIA週間在庫統計
02:00グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
04:00米地区連銀経済報告(ベージュブック)
09:0112月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
09:3012月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
16:0012月独CPI改定値
16:0011月英国内総生産(GDP)
16:0011月英鉱工業生産/製造業生産高
16:0011月英商品貿易収支/英貿易収支
19:0011月ユーロ圏貿易収支
21:30欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)
22:1512月カナダ住宅着工件数
22:3012月米小売売上高
22:3012月米輸入物価指数
22:301月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
22:30前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
24:0011月米企業在庫
24:001月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
17日
11:0010-12月期中国GDP
11:0012月中国鉱工業生産
11:0012月中国小売売上高
16:0012月英小売売上高
18:0011月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
19:0012月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
19:0012月ユーロ圏HICPコア改定値
22:3011月対カナダ証券投資
22:3012月米住宅着工件数
建設許可件数
23:1512月米鉱工業生産指数
設備稼働率
18日
06:0011月対米証券投資動向
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
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