予想とまとめ

週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、BOC会合に注目
2024/12/07 03:25
◆円相場、日銀利上げ関連のヘッドラインや国際情勢に注目
◆ポンド、英成長率・インフレ率の上昇見込みで底堅い動き
◆加ドル、BOC会合での利下げ幅や声明に注目

予想レンジ
ポンド円 189.00-195.00円
加ドル円 105.50-109.50円

12月9日週の展望
 対円では、18-19日に日銀金融政策決定会合を控え、追加利上げ関連のヘッドラインに神経質になる動きが続く。市場では追加利上げか据え置きかで見方が分かれており、依然として不透明感が強い。年末に向けて商いも薄くなっているなかで材料以上に値動きが大きくなる可能性がある。また、ウクライナ・ロシアと中東の地政学リスクが続くなか、フランスや韓国の政情不安の強まりで世界情勢を背景としたリスクオフの動きが高まる可能性には引き続き警戒したい。

 ポンドは、19日にイングランド銀行(英中銀、BOE)の今年最後の政策金利発表を控え、来週予定されている10月GDP・鉱工業生産・製造業生産指数などの指標結果を見極めることになる。今週発表の11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は48.0と速報値から下方修正された一方で、サービス部門PMI改定値は50.8と速報値から上方修正したが、いずれも10月から鈍化した。

 英政府予算案によるコスト押上げが懸念された。ただ、政府の支出拡大も要因に英経済は今後主要7カ国(G7)で最も高い成長率が見込まれているだけではなく、インフレの再加速も警戒されており、ポンドの底堅い動きが見込まれる。市場は12月会合での金利据え置きと来年3-4回の利下げを織り込んでいる。ベイリーBOE総裁は今週のインタビューで、「市場はすでに来年4回の利下げを織り込んでおり、それを中銀が最新の経済予測に反映させた」と説明している。

 加ドルは11日のカナダ中銀(BOC)の金融政策会合に注目。11月下旬にトランプ次期米大統領が3大貿易相手国であるカナダ、メキシコ、中国に大幅な関税引き上げを課すとし、ドル/加ドルは1.41加ドル後半と約4年半ぶりの加ドル安が進んだ。足もとで加ドル売りは一服するも戻りを1.39加ドル後半にとどめている。BOCが主要国で利下げサイクルを一番鮮明にしていることもあり、加ドルの重い動きが続くと見込まれる。

 来週のBOC会合では0.25%と0.50%の利下げで見方が分かれており、結果発表後には一時的にせよ値動きが振幅しそうだ。カナダの10月消費者物価指数(CPI)は前年比2.0%と前月から伸びが予想以上に加速し、12月の0.50%利下げへの思惑が後退した。ただ、一方で、7-9月期GDPが1.0%とBOC予想の1.5%を下回り、0.50%の大幅利下げ観測が再燃している。カナダのインフレ率がBOC目標の2%水準に近づいてきているなか、金融政策の焦点は経済成長に向けられているが、利下げ効果はまだ見られておらず、景気回復の鈍さへの懸念が続いている。

12月2日週の回顧
 日銀の12月会合での追加利上げ期待や韓国の尹大統領が3日夜に「戒厳令」を発表したことを受けたリスクオフで円買いが先行したが、一部メディアが日銀の追加利上げの可能性に疑問を投げかけたことで円買いが一服した。ポンド円は一時188円前半、加ドル円は一時105円後半まで下落した。

 週末に米雇用統計の発表を控え対ドルでは方向感が出ず、ポンドドルは1.27ドルを挟んで上下。ドル/加ドルは1.40加ドル台を中心とした狭いレンジ内の動きにとどまった。(了)
(執筆:12月6日、9:00)

国内イベントスケジュール

2024/12/23 06:15
24日
08:5010月30-31日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
25日
08:5011月企業向けサービス価格指数
14:0010月景気動向指数改定値
26日
08:50対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
14:0011月新設住宅着工戸数
27日
08:3011月完全失業率
08:3011月有効求人倍率
08:3012月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
08:5011月鉱工業生産速報
08:5011月商業販売統計速報(小売業販売額)
08:50日銀金融政策決定会合における主な意見(12月18-19日分)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

海外イベントスケジュール

2024/12/23 06:30
23日
14:0011月シンガポール消費者物価指数(CPI)
16:0011月独輸入物価指数
16:007-9月期英国内総生産(GDP)改定値
16:007-9月期英経常収支
21:0011月メキシコ貿易収支
22:3010月カナダGDP
22:3011月カナダ鉱工業製品価格
22:3011月カナダ原料価格指数
22:3011月米耐久財受注額
24:0011月米新築住宅販売件数
24:0012月米消費者信頼感指数
24日
03:00米財務省、2年債入札
09:3012月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
24:0012月米リッチモンド連銀製造業景気指数
25日
01:30米財務省、5年債入札
ドイツ、スイス、ノルウェー、スウェーデン、ブラジルなどがクリスマス・イブで休場
豪州、ニュージーランド、香港、シンガポール、英国、フランスなどはクリスマスの前日で短縮取引
米債券・株式・商品市場は短縮取引、為替市場は通常取引
ニュージーランド、オーストラリア、香港、シンガポール、韓国、インド、スイス、ドイツ、フランス、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、英国、南アフリカ、カナダ、米国、ブラジル、メキシコ(以上、クリスマス)、休場
26日
20:00トルコ中銀、政策金利発表
22:30前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
27日
01:00EIA週間在庫統計
03:00米財務省、7年債入札
ニュージーランド、オーストラリア、香港、スイス、ドイツ、フランス、英国、カナダ、(以上、ボクシングデー)、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド(以上、セカンドクリスマスデー)、南アフリカ(親善の日)、休場
22:3011月米卸売在庫
28日
01:0011月ロシア失業率
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。