NYマーケットダイジェスト・7日 株続落・長期金利上昇・ドル安・円高

(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.21円(前営業日比▲1.86円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=155.94円(▲0.96円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0967ドル(△0.0078ドル)
ダウ工業株30種平均:33734.88ドル(▲187.38ドル)
ナスダック総合株価指数:13660.71(▲18.33)
10年物米国債利回り:4.07%(△0.04%)
WTI原油先物8月限:1バレル=73.86ドル(△2.06ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=1932.5ドル(△17.1ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
6月米雇用統計
失業率                3.6%       3.7%
非農業部門雇用者数変化       20.9万人    30.6万人・改
平均時給(前月比)          0.4%      0.4%・改
平均時給(前年比)          4.4%      4.4%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続落。注目の6月米雇用統計の結果が強弱入り混じる内容だったことが分かると、当初は売りと買いが交錯したものの、そのあとは次第にドル売りが優勢となった。一時は4.0898%前後と昨年11月10日以来約8カ月ぶりの高水準を記録した米10年債利回りが低下に転じたり、米2年債利回りが節目の5%を下回ったりしたことも相場の重しとなり、5時30分前には一時142.07円と6月22日以来の安値を更新した。米10年債利回りは再び上昇に転じたものの、ドル円の戻りは非常に鈍かった。
 なお、米労働省が発表した6月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比20.9万人増と予想の22.5万人増を下回ったほか、失業率が3.6%と前月の3.7%から低下し、予想と一致した。一方、平均時給は前月比0.4%/前年同月比4.4%と予想の前月比0.3%/前年同月比4.2%を上回った。
 市場ではこの結果について「今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けた米連邦準備理事会(FRB)の見通しを大きく変えるほど軟調ではなかった。ただ、来週12日の6月米消費者物価指数(CPI)次第とも言える」との指摘があった。

・ユーロドルは続伸。しばらくは1.08ドル台後半でのもみ合いが続いていたが、米雇用統計発表後に米金利が低下すると全般ドル売りが優勢となった。2時30分前には一時1.0973ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.23と6月22日以来の低水準を付けた。

・ユーロ円は4日続落。ドル円の大幅下落につれた売りが出て一時155.39円と6月23日以来の安値を付けたものの、ユーロドルの上昇につれた買いが入ると156.00円付近まで下げ渋った。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。6月米雇用統計で非農業部門雇用者数は予想を下回ったものの、平均時給が予想を上回ると、市場では「賃金との連動性が高いとされるサービスインフレの鈍化に時間がかかる」と受け止められた。FRBによる利上げが長期化するとの観測が改めて強まると、株売りが広がった。取引終了間際に一時200ドル超下げる場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続落。しばらくはプラス圏で推移していたが、終盤失速した。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。6月米雇用統計で非農業部門雇用者数は予想を下回ったものの、平均時給が予想を上回った。米金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まり、債券売りが優勢となった。利回りは一時4.0898%前後と昨年11月10日以来約8カ月ぶりの高水準を付けた。

・原油先物相場は3日続伸。やや売りが先行したが、6月米雇用統計の結果発表後にドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての原油に割安感が生じたことが支えとなった。また、有力産油国のサウジアラビアとロシアが価格押し上げに向け自主的な減産方針を表明していることが引き続き支援材料となっている。

・金先物相場は3日ぶりに反発。注目の6月米雇用統計の結果を受けて米長期金利の上昇が一段落したことが支えとなったほか、為替市場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての金は割安感から買い意欲が強まった。

(中村)
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