NY株見通し-今週は物価指標と大手金融機関の決算発表に注目

 今週のNY市場は物価指標と大手金融機関の決算発表に注目。先週は主要3指数が高安まちまち。ダウ平均が0.30%安と3週続落となった一方、S&P500が0.48%高と5週ぶりに反発し、ナスダック総合は1.60%高と2週続伸した。火曜日に発表された米8月JOLTS求人件数が予想を上回る強い結果となり、米10年債利回りが16年ぶりの水準まで上昇したことで主要3指数がそろって1%超の大幅安となったが、水曜日の米9月ADP民間部門雇用者数が予想を下回る弱い結果となったことで、米10年債利回りが低下し、主要3指数が反発した。注目された金曜日発表の米9月雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が予想を大幅に上回る強い結果となり、米国債利回りが上昇したことで大きく下落したものの、賃金の伸びが鈍化したことで米国債利回りが上昇幅を縮小し、買戻しが優勢となった。ダウ平均は3日に430ドル安となり、昨年末水準を割り込んだが、その後反発し、年初来で0.79%高で週の取引を終えた。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の17.52ポイントから4日に一時20.88ポイントまで上昇したが、17.45ポイントで終了し、週間では小幅低下となった。

 今週はインフレ指標と発表がスタートする大手金融機関などの第3四半期決算に注目。先週金曜日に発表された米9月雇用統計は強弱まちまちとなったが、今週も金融政策の見通しを巡り、木曜日に発表される米9月消費者物価指数(CPI)や水曜日発表の米9月生産者物価指数(PPI)などの物価指標に注目が集まる。9月CPIの市場予想は前月比+0.3%と8月の+0.6%から鈍化が見込まれ、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.3%と8月から横ばいが予想されている。前年比では総合が+3.6%、コアが+4.1%とそれぞれ8月の+3.7%、+4.3%から鈍化が予想されている。PPIは前年比+1.6%と8月から横ばい予想、コアPPIは同+2.3%と8月の+2.2%から伸びがわずかに加速すると予想されている。このほか、金曜日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が注目する10月ミシガン大1年先・5年先期待インフレ率速報値も発表される。また、水曜日に公表される9月19-20日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨にも要注目か。今週からスタートする第3四半期決算発表は、金曜日にJPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴなどの大手金融機関やユナイテッドヘルス、ブラックロックなどが発表予定。このほか、ペプシコ、ドミノ・ピザ、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、デルタ航空も今週決算を発表する。

 今晩はコロンブスデーで債券市場が休場。米経済指標は9月雇用傾向指数など。このほか、バーFRB副議長、ジェファーソンFRB理事、ローガン米ダラス連銀総裁の講演も予定されている。主要な企業の決算発表はなし。
(執筆:10月9日、14:00)
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