株式明日の戦略―米株高を好感できず続落、円高を克服できるかが焦点に

 21日の日経平均は続落。終値は33円安の33354円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり987/値下がり622。米10年債利回りの低下を好感して、アドバンテストやルネサスなど半導体関連が大幅上昇。日本郵船や川崎汽船など海運株に強い買いが入った。一段の円高進行を手がかりに、ニトリHD、神戸物産、セリアなど小売の一角が円高メリット銘柄として急伸。上方修正や複数企業のM&Aなど材料が多かったGENDAが、ストップ高をつける場面もあるなど値を飛ばした。

 一方、一段の円高進行を受けて、自動車株が連日の軒並み安。ホンダ、スズキ、三菱自が2%台の下落となり、マツダは4%を超える下落となった。伊藤忠や三井物産など商社株が大幅安。米10年債利回りの低下を受けて、三菱UFJや三井住友など銀行株が売りに押された。公募・売り出しを発表したGSユアサが急落。新株予約権の発行が嫌気されたアルメディオがストップ安となった。

 日経平均は続落。プライムでは値上がり銘柄の方が多かったが、円高に対する警戒が払しょくできなかった。本日の米国では、FOMC議事録の公表とエヌビディアの決算が注目を集める。なお、エヌビディアの決算は引け後となるため、あすの日本株が結果を一足先に消化することになる。

 前回のFOMCは波乱なく通過しており、パウエルFRB議長は次回FOMCでの利上げに含みを残したものの、結果を受けて米10年債利回りは低下した。この時の議論の中身を確認して米国の長期金利が一段と低下するようなら、米国のグロース株には強い買いが入る展開が期待できる。エヌビディアも決算発表を前に人気化しそうだ。

 ただし、米国の長期金利が一段と低下した場合、ドル安・円高もさらに進む可能性がある。日経平均は連日で米国株高を好感できずに下落しているだけに、米国株の買い材料が日本株には売り材料となる展開も想定しておかなければならない。日本、米国とも木曜23日は株式市場が休場で、目先は為替のボラティリティが大きくなる可能性がある。この状況で円高が止まることを期待するのは楽観的だ。国内自動車株が為替を頼らず反転するか、自動車株を見切って他の銘柄が強く買われることで指数が反転するか、日本株全体として円高に対する耐性がつくかどうかが重要となる。
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