株式明日の戦略-続伸も盛り上がりに欠ける1日、米CPIに注目が集まる

 14日の日経平均は続伸。終値は110円高の32695円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり782/値下がり821。上方修正と増配を発表したみずほFGが大幅上昇。決算発表を控える三菱UFJにも強い動きが見られた。東京エレクトロン、アドバンテスト、レーザーテックなど、主力の半導体株が買いを集めた。3Qが大幅な営業増益となったコーセーが、前日大きく下げた分を取り戻して6%高。前日ストップ安となった資生堂にも資金が向かった。通期見通しの引き上げや期末増配が好感されたマイクロニクスは、場中に値が付かすストップ高比例配分となった。

 一方、メルカリは今期の大幅増益着地が好感されず3%を超える下落。上期が大幅な減益となった三菱地所が4%を超える下落となった。今期の減益計画を提示したメドピアや、前期の利益が計画を大きく下回ったLIFULLが急落。1Qが大幅な減益となったアドベンチャーはストップ安をつける場面もあるなど大きく値を崩した。

 日経平均は続伸。終始プラス圏で推移できたという点を見れば強かったが、寄った後の動意は乏しく、あす以降の手がかりを得づらい1日であった。国内はきょうで決算発表が概ね終了する。これ以降に延長戦的に個別物色が盛り上がるかどうかは、米国株がカギを握る。米国株が落ち着いていれば買える銘柄探しの動きが活発になるだろうが、米国株の値動きが不安定となった場合には、決算発表ラッシュの期間に上がった銘柄は手じまい売り、下がった銘柄は手じまい売りに押されやすくなる。

 米国では本日は10月の消費者物価指数(CPI)、あす15日には10月の生産者物価指数(PPI)や小売売上高の発表がある。5%超えから4.5~4.6%近辺まで低下してきた米国の10年債利回りが、これらの指標を受けてどういった反応を示すのか。ここ数カ月の傾向からは、CPIは金利低下を促す材料となることが期待される。米長期金利がほどよく低下してナスダックが上昇、国内半導体株に好影響が及ぶというのが今の日本株には好ましいシナリオだろう。東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>など、きょうの動きも良かった主力の半導体株の動向に注目しておきたい。
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