株式明日の戦略-円高を嫌気して大幅安、米CPIは金利低下を促す材料となるか

 12日の日経平均は大幅反落。終値は259円安の31943円。。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり464/値下がり1313。1Qが大幅な最終増益となったローソンがストップ高。良品計画に続いてストップ高銘柄が出てきたことで、ABCマート、コメダ、吉野家など、決算発表が近い銘柄を先回りで物色する動きが見られた。タマホームやパルグループも決算を材料に大幅高。月次が好感されたTSIHDが年初来高値を更新した。子会社PayPayの上場先が米国市場になるとの観測が出てきたことで、ZHDが後場急伸。円高がクローズアップされたことで円高メリット銘柄としてニトリHDが人気化した。

 半面、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体株が大幅安。原油高を受けても三井物産や三菱地所など商社株が弱く、大型株の買いづらさが意識された。薬品株のエーザイと第一三共が連日の大幅安。半導体株にアゲインストの流れの中、1Qが減収減益となったローツェが11.2%安と値を崩した。決算で強く買われた銘柄も散見された一方、コシダカ、ライトオン、ハニーズは決算を材料に急落した。

 日経平均は大幅安。11日の米国市場ではダウ平均が300ドル超上昇しており、為替が円高でもさすがに日本株も連れ高できるとみていたが、円高を嫌気する動きが色濃く出た。本日米国で発表される6月消費者物価指数(CPI)は、米国の長期金利や為替を大きく刺激する可能性がある。グローバルの観点では、CPIがそれほど強くなく、米金利が低下して米国株高につながる展開を期待したいが、その場合、為替はドル安(円高)に振れると見込まれる。日本株が米国株より為替を強く意識する状況が続くようだと、グローバル市場から孤立するリスクが浮上する。

 今回の米CPIを受けた注目点は、米国の長期金利が大きく上昇しないかどうか、これに尽きる。米10年債利回りの4%より上、2年債利回りの5%より上が定着してしまうと、米国の実体経済への悪影響も懸念される。ここで米国の長期金利が大きく上昇した場合には、リスクオフの様相が強まり、荒れ相場がしばらく続く展開も想定される。日本株に関しては、まだもう少しクールダウンが必要かもしれない。ただ、米国株の大崩れがなければ、早晩下値は固まってくるだろう。円高が進んで日本株がもう一段売られたとしても、CPIが米国の金利低下を促す材料となり、グローバル市場のインフレに対する警戒を和らげてくれる展開に期待したい。
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