株式明日の戦略―米CPI結果を好感できず大幅安、来週は日銀リスクを強く意識

 13日の日経平均は6日ぶり大幅反落。終値は330円安の26119円。

 日経平均は大幅安。ファーストリテイリングのせいで余計に見栄えが悪くはなったが、きのうも外部環境が良かったのに小幅高にとどまるなど、日本株が頭打ちとなりそうな予兆はあった。今は指数が崩れる際には金融株に資金が向かうことが多いため全面安とはなりづらいが、その金融株も日銀会合近辺では動きが一段と荒くなると思われる。2月決算銘柄などの業績発表が一巡し、3月決算銘柄は業績発表をすぐ先に控えて手掛けづらくなる。1月下旬からは業績相場の様相が強まってくるため、中小型株も値動きが良いだけでは買われづらくなる。1月に入ってからのリバウンドは一服するとみておいた方が良い。1月4日の大発会の安値が25661円で、来週はこれを割り込むことなく推移できるかが焦点となる。

【来週の見通し】
 軟調か。17~18日に日銀金融政策決定会合が開催される。前回、不意打ちの金融政策修正があったことで、日銀に対する信認が大きく揺らいでいる。前回は長期金利の許容変動幅をプラスマイナス0.5%程度まで拡大することが決まったが、足元の金利はその上限水準で推移しており、再度の修正を余儀なくされるのではとの警戒も強い。2会合連続で金融政策の修正や変更があれば株式市場は混乱するし、現状維持であったとしても、政策不透明感はくすぶる。米国では金融株などを中心に決算が出始めるほか、経済指標の発表も多い。足元では米国のインフレに対する警戒が大きく後退しており、これらを確認することはグローバル市場には安心材料になると思われる。ただし、日本株は日銀リスクが強く意識され、弱材料に敏感に反応する地合いが続くと予想する。

【今週を振り返る】
 堅調となった。米12月雇用統計が米国株の強い買い材料となったことを受けて、三連休明けの日経平均は大幅上昇。インフレ減速期待からその後の米国株にも強い動きが見られたことから楽観ムードが高まり、11日まで4営業日連続で3桁の上昇となった。一方、週半ば以降は日銀関連のニュースに神経質となり、海外からの好材料に対する反応が鈍くなった。注目の米12月CPIは市場予想並みとなり、これを受けた米国株も上昇したが、この動きを好感できずに金曜13日は大幅下落。ただ、それまでの貯金が大きく、週間ではプラスで終えた。日経平均は週間では約145円の上昇。ただし、週初に高く始まり後半に失速したことから、週足では陰線を形成した。

【来週の予定】
 国内では、12月企業物価指数、12月工作機械受注(1/16)、日銀金融政策決定会合(~1/18)(1/17)、黒田日銀総裁会見、日銀が経済・物価情勢の展望(展望レポート)を公表、11月機械受注、12月訪日外客数(1/18)、12月貿易収支、20年国債入札(1/19)、12月全国消費者物価指数(1/20)などがある。

 企業決算では、マネフォワード、サムティ、日本国土、テラスカイ、バロック、古野電、メディアドゥ、MrMaxHD(1/16)が発表を予定している。
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