株式明日の戦略-大幅高で33000円台乗せ、米CPIにらみも強い基調に変化なしか

 13日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は584円高の33018円。米国株高を受けて寄り付きから200円を超える上昇。上げ幅を広げて32800円台に乗せたところでいったん値動きが落ち着いたが、主力銘柄が上昇をけん引して10時台半ば辺りから一段高となり、節目の33000円に接近して前場を終えた。後場に入るとあっさり33000円を突破。そこから700円近く上昇して33100円台に乗せる場面もあった。13時以降は上昇一服感が出てきたものの、売り圧力は限定的。終値でも33000円を上回り、年初来高値を更新した。TOPIXとマザーズ指数も年初来高値を更新しており、マザーズ指数は終値で800ポイントを上回った。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆1400億円と、強い動きが見られた中で商いも高水準となった。業種別では輸送用機器、卸売、電気機器などが上昇した一方、パルプ・紙、電気・ガス、海運などが下落した。配当方針を変更して株主還元強化策も併せて発表したセイノーホールディングス<9076.T>がストップ高比例配分。半面、上期が大幅な減収減益となったグッドコムアセット<3475.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1066/値下がり695。レーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロン、ルネサスなど半導体関連が軒並み大幅高。ソシオネクストが13.1%高と値を飛ばした。全固体電池を搭載した電気自動車を投入すると報じられたトヨタが年初来高値を更新し、オハラ、GSユアサ、日本電解などが電池関連として人気化した。生成AIやアームIPOに絡むニュースが出てきたソフトバンクGが5%を超える上昇。上期の決算が好感されたGAテクノロジーズがストップ高となった。ほか、政府が宇宙開発の民間参入を後押しするとの報道を材料に、アイスペースが急伸した。

 半面、原油安を受けてINPEXや石油資源開発が下落。商船三井など海運株が全般軟調となった。直近で強く買われていたエーザイが利益確定売りに押されて逆行安。好地合いの中でも決算が失望となった銘柄は厳しい下げとなっており、鎌倉新書やアセンテックが急落。学情は通期見通しの引き上げが好感されず9%を超える下落となった。

 本日、グロースに新規上場したABEJAは久々のIPOということもあって買いを集め、初値は持ち越しとなった。

 日経平均は大幅高で33000円台に乗せた。値幅が出たことに関しては、本日、岸田首相の記者会見が予定されていることから、解散・総選挙を見越した思惑的な買いが入ったとの見方もあった。今回、その話が出てくるかどうかはともかく、解散カードを切れば株高が期待できる。切り札がまだあることは、日本株の先高期待を高める。

 本日、米国では5月の消費者物価指数(CPI)が発表される。注目度の高い指標ではあるが、翌日には6月FOMCの結果を消化する。今回のCPIが強かったとしても、それで6月利上げの可能性が高まることはないと思われる。一方、CPIが弱ければ今回の利上げ見送り確度が高まるだけでなく、次回の利上げに対する警戒も後退する。12日の米国株はCPIの発表を前にしても強い動きを見せたが、結果を確認する本日も下値は堅いと期待できる。

 もし、米国株がCPIを受けて崩れたとしても、日本株はきょうの逆でグロース株が売られる一方でバリュー株が買われる流れになるとみる。日経平均は3万円より上が定着するかどうかでそわそわしている間に、気づけば3万円から1割上昇した。強い動きが続く中で25日線(31005円、13日時点)は31000円を上回っている。深押しがあったとしても3万円を割り込む可能性が低下する中、国内外の材料に柔軟に対応して強い基調が続くだろう。
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