株式明日の戦略-連日の「半導体祭り」で週間上昇、来週は米国の債務上限問題が焦点に
26日の日経平均は続伸。終値は115円高の30916円。米国株はまちまちとなったが、寄り付きから3桁の上昇。エヌビディア株が決算を受けて急騰したことで、国内でも前日に続いて半導体株買いが盛り上がった。一段の円安進行を受けてインバウンド関連にも見直し買いが入る中、しばらくは買いが買いを呼ぶ流れが続いた。前場は高値引けとなり、300円高で31100円台に到達。後場は利益確定の動きが出てきたことから伸び悩み、大引けが後場の安値となった。ただ、萎んでも3桁高の状態はキープした。TOPIXは終盤に崩れて、ほぼ横ばいながら下落で終了。マザーズ指数が前日同様に弱く、下げて始まった後は下値模索が続いた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆4000億円。業種別では空運、陸運、精密機器などが上昇している一方、鉱業、石油・石炭、証券・商品先物などが下落した。半導体株の動きの良さが目立ったが、中でも証券会社が目標株価を引き上げたSCREENホールディングス<7735.T>が5.8%高と急伸。連日で上場来高値を更新した。半面、株高ではあったものの、東洋証券<8614.T>やSBIホールディングス<8473.T>など証券株は下落する銘柄が多かった。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり419/値下がり1371。指数としての日経平均が健闘した1日で、値下がり銘柄は多かった。前日に跳ねたアドバンテストのほか、東京エレクトロン、東京精密、ディスコなど半導体製造装置関連が大幅上昇。ルネサスやHOYAなどにも強い動きが見られた。円安進行と原油安を追い風に、直近で大きく売られる場面もあったインバウンド株が切り返し、JAL、OLC、JR東海、富士急行などに買いが入った。市況関連はさえないものが多かった中、丸紅が3%を超える上昇。新興銘柄が敬遠される中でもアイスペースが商いを伴って急伸した。ほか、株主還元方針の見直しを発表したアニコムHDが年初来高値を更新した。
一方、三菱UFJや三井住友など銀行株が、前日に続いて全般軟調。原油安を受けて、INPEX、コスモエネルギー、出光興産などが大幅安となった。ドル円が一時140円台に乗せるなど円安がクローズアップされたものの、ホンダやスズキなど自動車株は下落。いすゞ、日野自のトラック2社が大きめの下げとなった。北陸電力や北海道電力など、直近で強く買われていた電力株が軒並み利益確定売りに押された。「eスポーツ」関連として今週人気化したウェルプレイドが急落。スタンダード市場への移行を表明したマツオカコーポレーションが大幅安となった。
日経平均は続伸。年初来高値は更新できなかったが、終値(30916円)は5日線(30888円、26日時点)を上回った。きょうの引け味は良くなかったが、火曜に頭打ち感が出てきたにもかかわらず、週間ではプラス。エヌビディアに助けてもらったようなものだが、非常に良いタイミングで新味のある材料が出てきており、日本株は運も味方につけている。この状況がこの先も続くかどうかは誰にも分からない。ただ、連日で債務上限問題に振り回される米国株よりも買い安心感があり、エヌビディアの好決算など米国発のポジティブニュースには、まるで自国の材料かのように反応してくれる。流れが良いことは間違いなく、グローバルで見ても死角が少ない。過熱感を冷やす売りは、折に触れて出てくると思われる。しかし、急落しそうな雰囲気がなく、買いで参入するのに良いタイミングと考える。
【来週の見通し】
波乱含みか。米国は週明けの5月29日が休場。週末の6月2日は5月雇用統計が発表予定で、やや手がけづらさが意識される。最大の注目は債務上限問題。過去のイエレン財務長官の発言から、6月1日が「Xデー(米政府の資金繰りが行き詰まる日)」として注目されており、関連ニュースに振り回されることになるだろう。債務上限問題が解決しないまま6月1日を迎えるようなら、この近辺では米国株の大幅安を想定しておく必要がある。一方、土壇場で与野党が合意に至るようなら、リスクオンに傾斜する展開も期待できる。週末の米雇用統計は、足元で米国のインフレが長期化するのではとの見方が強まっていることから、警戒材料として受け止められるだろう。日本株は足元の基調が非常に強く、基本的には悪材料には耐性を示し、好材料には強く反応すると考える。ただし、米国の債務上限問題が解決せず、米国株の下げが大きくなってしまった場合には、週末にかけてはリスク回避の動きが強まると予想する。
東証プライムの売買代金は概算で3兆4000億円。業種別では空運、陸運、精密機器などが上昇している一方、鉱業、石油・石炭、証券・商品先物などが下落した。半導体株の動きの良さが目立ったが、中でも証券会社が目標株価を引き上げたSCREENホールディングス<7735.T>が5.8%高と急伸。連日で上場来高値を更新した。半面、株高ではあったものの、東洋証券<8614.T>やSBIホールディングス<8473.T>など証券株は下落する銘柄が多かった。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり419/値下がり1371。指数としての日経平均が健闘した1日で、値下がり銘柄は多かった。前日に跳ねたアドバンテストのほか、東京エレクトロン、東京精密、ディスコなど半導体製造装置関連が大幅上昇。ルネサスやHOYAなどにも強い動きが見られた。円安進行と原油安を追い風に、直近で大きく売られる場面もあったインバウンド株が切り返し、JAL、OLC、JR東海、富士急行などに買いが入った。市況関連はさえないものが多かった中、丸紅が3%を超える上昇。新興銘柄が敬遠される中でもアイスペースが商いを伴って急伸した。ほか、株主還元方針の見直しを発表したアニコムHDが年初来高値を更新した。
一方、三菱UFJや三井住友など銀行株が、前日に続いて全般軟調。原油安を受けて、INPEX、コスモエネルギー、出光興産などが大幅安となった。ドル円が一時140円台に乗せるなど円安がクローズアップされたものの、ホンダやスズキなど自動車株は下落。いすゞ、日野自のトラック2社が大きめの下げとなった。北陸電力や北海道電力など、直近で強く買われていた電力株が軒並み利益確定売りに押された。「eスポーツ」関連として今週人気化したウェルプレイドが急落。スタンダード市場への移行を表明したマツオカコーポレーションが大幅安となった。
日経平均は続伸。年初来高値は更新できなかったが、終値(30916円)は5日線(30888円、26日時点)を上回った。きょうの引け味は良くなかったが、火曜に頭打ち感が出てきたにもかかわらず、週間ではプラス。エヌビディアに助けてもらったようなものだが、非常に良いタイミングで新味のある材料が出てきており、日本株は運も味方につけている。この状況がこの先も続くかどうかは誰にも分からない。ただ、連日で債務上限問題に振り回される米国株よりも買い安心感があり、エヌビディアの好決算など米国発のポジティブニュースには、まるで自国の材料かのように反応してくれる。流れが良いことは間違いなく、グローバルで見ても死角が少ない。過熱感を冷やす売りは、折に触れて出てくると思われる。しかし、急落しそうな雰囲気がなく、買いで参入するのに良いタイミングと考える。
【来週の見通し】
波乱含みか。米国は週明けの5月29日が休場。週末の6月2日は5月雇用統計が発表予定で、やや手がけづらさが意識される。最大の注目は債務上限問題。過去のイエレン財務長官の発言から、6月1日が「Xデー(米政府の資金繰りが行き詰まる日)」として注目されており、関連ニュースに振り回されることになるだろう。債務上限問題が解決しないまま6月1日を迎えるようなら、この近辺では米国株の大幅安を想定しておく必要がある。一方、土壇場で与野党が合意に至るようなら、リスクオンに傾斜する展開も期待できる。週末の米雇用統計は、足元で米国のインフレが長期化するのではとの見方が強まっていることから、警戒材料として受け止められるだろう。日本株は足元の基調が非常に強く、基本的には悪材料には耐性を示し、好材料には強く反応すると考える。ただし、米国の債務上限問題が解決せず、米国株の下げが大きくなってしまった場合には、週末にかけてはリスク回避の動きが強まると予想する。