株式明日の戦略-米株急落を受けても小幅な下落、週間プラスで終えられるか

 23日の日経平均は小幅反落。終値は47円安の27419円。米国株の大幅安を受けて、寄り付きは200円を超える下落。しかし、開始早々に安値をつけると、場中は値を戻す流れが続いた。アドバンテスト<6857.T>や東京エレクトロン<8035.T>など大型半導体に買いが入ったほか、米国動向から序盤に強く売られていた金融株が下げ渋ったことで、下押し圧力が和らいだ。後場に入っても戻り基調は続き、終盤には一時下げ幅を一桁まで縮小。プラスには浮上できなかったものの、小幅な下落で取引を終えた。マザーズ指数やグロースコア指数は前場のうちにプラス転換すると、後場は上げ幅を広げて高値圏で終了した。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆4700億円。業種別では非鉄金属、サービス、ゴム製品などが上昇した一方、保険、医薬品、精密機器などが下落した。新興グロース株に資金が向かう中、ANYCOLOR<5032.T>が買いを集めてストップ高。全市場の売買代金トップ10入りするなど商いも活況となった。半面、環境省および経済産業省から家電リサイクル法に基づく勧告を受けたと発表したレオパレス21<8848.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1059/値下がり688と、場中に動きが良くなる中で、値上がりが値下がりを上回った。業績に関するリリースを材料にリクルートが4%を超える上昇。ビジョナルにも強い買いが入った。東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREEN、ディスコなど半導体装置関連の多くが上昇。通期の純利益見通し引き上げや自己株取得を発表したメガチップスが急騰した。上方修正や期末配当の実施を発表した久世が買いを集め、昨年来高値を更新した。

 一方、米国で金融株が売られたことから、三菱UFJ、三井住友、第一生命、T&Dなど金融株が全般軟調。前日大幅高となった楽天Gが一転売りに押された。NTTやKDDIなど通信株のほか、武田、中外製薬など薬品株が弱く、ディフェンシブ系業種が嫌われている。材料のあったところでは、下方修正を発表した富士通ゼネラルが大幅安。競合他社の取引を妨害した疑いで公正取引委員会の立ち入り検査が入ったとの観測が伝わったIBJが急落した。

 本日グロースに新規上場したハルメクは、高い初値をつけた後も動きが非常に良く、ストップ高まで買い進まれた。日本ナレッジとアイビスの初値は持ち越しとなった。

 ダウ平均が500ドルを超える下げになったことを踏まえると、日経平均の47円安(27419円)というのはかなり健闘している。物色に関しては、半導体株や新興グロースの動きが良かったが、市況関連を中心にバリューにも買われているものがあり、傾向ははっきりしなかった。ただ、主役は不在でも指数は安く始まった後に値を戻し続けており、売りを仕掛けづらい雰囲気があった。3月に入って9日に28734円まで上昇した後、16日には26632円まで下落し、短期間で一気に2000円近く水準を切り下げた。それだけに今週の動きが注目されたが、先週末の終値が27333円(3/17)で、きょうの終値が27419円。ここまでは若干のプラスとなっている。来週は月末週で、3月は権利落ちに伴い見た目の水準も大きく切り下がることから、日々値幅が出る展開も想定される。今週、週間でプラスかマイナスかは、来週のセンチメントにも大きく影響するだろう。米国株の動向は気がかりではあるが、あすは大崩れすることなく、週間プラスで終えられるかに注目したい。
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