株式明日の戦略-3桁上昇スタートも失速、米国では注目指標の発表が相次ぐ

 15日の日経平均は4日ぶり小幅反発。終値は7円高の27229円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1498/値下がり307。米国で金融株に買いが入ったことを手がかりに、三菱UFJや三井住友など銀行株が商いを伴って大幅上昇。メガバンク3行とゆうちょ銀行が全市場の売買代金トップ10入りした。日本製鉄など鉄鋼株が全般堅調で、神戸鋼は5%を超える上昇。GCジョイコ、ダイコク電機、日本金銭機械、マースGHDなど、遊技機および紙幣鑑別機周辺の銘柄に強い動きが見られた。ベストワンドットコム、鳥貴族、ラウンドワンなど経済活動再開関連の一角が急伸。決算や中期経営計画の目標引き上げが好感された三井ハイテックがストップ高となった。

 一方、ファーストリテイリングとソフトバンクGが朝から弱く、全体の押し目買い意欲を後退させるような動きを見せた。日本電産やリクルートなどグロースの代表格的銘柄が売られており、メルカリは4%を超える下落。JR東日本や京王電鉄など鉄道株が全般軟調となった。山王は上方修正が好感されず大幅安。下方修正を発表したヤーマンは場中に値が付かずストップ安比例配分となった。

 日経平均は3桁上昇スタートから一時3桁下落となり、終わってみれば一桁の上昇。早い時間から値上がり銘柄は多い割には日経平均がさえなかったが、これに全体が引っ張られるような格好で失速した。きのう14日は、ナスダックの上昇を受けても600円を超える下落となり、きょうは米国株の大幅高を受けても、かろうじてプラスで終えた程度。急落前の日本株は他市場と比べても強かったが、その反動が出てきているようにも見える。

 日本株のきょうの動きを見ると、総じてバリュー優位で、グロースはどちらかというと敬遠されている。直近で大きく下げたことを鑑みると、今はバリュー・グロース問わず買われてほしいところではあるが、金利や為替に神経質となりやすいため、戻すにしても優劣がつく展開は想定される。なお、米国に関しては、13日と14日はナスダックの動きが良く、日本でグロース株が嫌われるのは若干違和感もある。

 本日の米国では、2月の生産者物価指数(PPI)や小売売上高など指標の発表が多い。物価指標のPPIは強いとインフレ長期化が警戒されるが、小売売上高は強くないと景気悪化が意識される。NY連銀景気指数やNAHB住宅市場指数など、3月分の指標も出てくる。複数の指標を消化することで、今の米国株が何を期待し、何を警戒しているかが鮮明となってくるかもしれない。今の地合いでどういった属性が好まれ、嫌われるのかの大きなヒントが得られる可能性がある。
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