株式明日の戦略-日経平均、TOPIXとも節目を回復、米CPIに注目も好地合いは継続か

 12日の日経平均は4日続伸。終値は159円高の28082円。まちまちの米国株を受けても上昇して始まり、開始早々に上げ幅を3桁に拡大。序盤は28000円近辺でしばらくもみ合ったが、節目より上で推移する時間が長く、徐々にセンチメントが強気に傾いた。前場の中頃からじわじわと上げ幅を広げて28100円台に乗せると、以降はこの近辺で値動きが落ち着いた。前日に強く買われた商社株の動きが良く、景気敏感株が上昇を先導する形で幅広い業種に買いが入った。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆4300億円。業種別では海運、卸売、鉄鋼などが強い上昇。下落は精密機器と不動産の2業種のみで、空運が小幅な上昇にとどまった。上期の見通しを引き上げたセラク<6199.T>が急騰。半面、下方修正と期末配当見通しの引き下げを発表した旭化学工業<7928.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1324/値下がり433。三菱商事など商社株が商いを伴って強い上昇。日本郵船など海運株や、コマツなど機械株に資金が向かった。業績関連のリリースで上に値幅が出た銘柄が多く、わらべや日洋やDCMが急伸。竹内製作所やコシダカHDがストップ高となった。国内初のIR(カジノを含む統合型リゾート)が大阪で開業する見通しとのニュースが伝わったことから、日本金銭機械や杉村倉庫が関連銘柄として人気化。大運や桜島埠頭がストップ高となった。

 一方、ナスダックが下げたことから、レーザーテック、村田製作所、TDKなどハイテク株が軟調。ファーストリテイリング、西松屋チェーン、ビックカメラなど小売専門店の一角が弱かった。今期の減収減益計画を提示したローチェが14.8%安。米CPIの発表を前に米長期金利の上昇が警戒され、三井不動産や三菱地所など大手不動産株が売りに押された。

 本日、グロースに新規上場したispace(アイスペース)は、宇宙関連の事業を展開しており事前期待も高く、買い殺到で初値は持ち越しとなった。

 日経平均は4日続伸。終日28000円より上を維持しようといった動きが見られ、4月4日以来、6営業日ぶりに終値で28000円を上回った。TOPIXも6営業日ぶりに終値で2000pを上回っている。きのうの大幅高で相場の雰囲気が大きく変わった感がある。

 本日の米国市場は、3月CPIを消化して3月開催のFOMC議事録を確認する。反応は読みづらいが、直前でダウ平均が上昇、ナスダックが下落というパターンが2日続いており、バリューとグロースで濃淡がつくことになりそう。バリュー優位となるならば、日本株はきょうと似たような地合いが想定される。グロース優位となるならば、商社株などは利食い売りに押されるだろうが、ここ数日の動きが案外であった半導体株などに強い買いが入ると見込まれる。米3指数がそろって大幅安となってしまった場合は厳しいが、それ以外であれば日本株全体としての堅調な地合いは崩れないと予想する。
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