週間為替展望(豪ドル/ZAR)-年末年始相場、方向感出にくい
◆年末年始は注目イベントも少なく、方向感出にくい
◆豪ドル、植田日銀総裁講演や米雇用統計など国外要因に警戒
◆ZAR、財政収支に注目も年末のフローに注意
予想レンジ
豪ドル円 93.00-98.00円
南ア・ランド円 7.50-8.00円
12月25日週の展望
豪ドルは小幅な値動きとなりそうだ。年末年始は地政学リスクで動く可能性はあるものの、市場を動意づけるのは難しいだろう。昨年末から今年の年始での2週間の値動きを見ても、豪ドル円は2円弱程度、豪ドル/ドルは約150ポイントのレンジで上下を繰り返した程度で終わっている。豪州からは、年末年始の2週間を通しても主だった経済指標の発表予定はない。また、隣国ニュージーランドからも同様に主だった指標の発表予定がない。豪ドルが主体性をもって相場を動意づけるのは、1月9日に発表される11月小売売上高や1月10日の消費者物価指数(CPI)、1月18日の12月雇用統計までは難しそうだ。
そのため、オセアニア通貨は上述の地政学リスク以外では、他国の動向が左右する相場展開となるだろう。日本からは、25日に植田日銀総裁が経団連の会議で講演する予定になっているほか、26日には11月の本邦雇用統計、2年債入札、28日には11月小売売上高、鉱工業生産などが発表される。植田日銀総裁の発言次第で再び豪ドル円が動意づくことには警戒しておきたい。
また、米国からは27、28、29日にそれぞれ2年、5年、7年債入札が控えているほか、複数の重要指標が年末までに予定されている。年明けの1月5日には12月雇用統計が発表される。入札結果や経済指標の結果次第では、米金利が動意づき豪ドル/ドル相場に大きく影響を与えることになるだろう。なお、米国の経済指標が強い結果となった場合は、豪州の12月CPIを下方修正する予想も出てきていることもあり、豪ドル/ドルの重しになる。
南アフリカ・ランド(ZAR)もレンジ取引となりそうだ。南アからは29日に11月貿易収支、11月次財政収支が発表される。7-9月期の経常赤字が大幅に減少したことで、11月の財政赤字が市場予想よりも減少していればZARの支えになるだろう。もっとも、29日は月末、年末ということもあり、ロンドンフィキシングなどを中心に大きなフローが出る可能性がある。市場が想定している以上に大きな値動きとなることには注意が必要だろう。
12月18日週の回顧
豪ドルは対ドルでは小動き、対円では買いが優勢となった。日銀金融政策決定会合で緩和策が維持されたほか、フォワードガイダンスなどの文言変更もなかったことで、早期マイナス金利解除への思惑後退から豪ドル円は97円半ばまで反発した。しかしながら、円売りの勢いも徐々に弱まり上値も抑えられた。また、RBA議事要旨では「インフレは低下し続けたが、依然として高い」とインフレへの警戒感が維持されたが、今後の政策については「データ次第」としたこともあり、市場の反応は限定的だった。
ZARは対ドルでは横ばい、対円では反発した。豪ドル円同様に、日銀政策決定会合後に円安が進んだ影響で下値が支えられ、一時1日以来となる7.89円まで買い戻される場面もあった。対ドルでは18ZAR前半でのもみ合いとなった。(了)
◆豪ドル、植田日銀総裁講演や米雇用統計など国外要因に警戒
◆ZAR、財政収支に注目も年末のフローに注意
予想レンジ
豪ドル円 93.00-98.00円
南ア・ランド円 7.50-8.00円
12月25日週の展望
豪ドルは小幅な値動きとなりそうだ。年末年始は地政学リスクで動く可能性はあるものの、市場を動意づけるのは難しいだろう。昨年末から今年の年始での2週間の値動きを見ても、豪ドル円は2円弱程度、豪ドル/ドルは約150ポイントのレンジで上下を繰り返した程度で終わっている。豪州からは、年末年始の2週間を通しても主だった経済指標の発表予定はない。また、隣国ニュージーランドからも同様に主だった指標の発表予定がない。豪ドルが主体性をもって相場を動意づけるのは、1月9日に発表される11月小売売上高や1月10日の消費者物価指数(CPI)、1月18日の12月雇用統計までは難しそうだ。
そのため、オセアニア通貨は上述の地政学リスク以外では、他国の動向が左右する相場展開となるだろう。日本からは、25日に植田日銀総裁が経団連の会議で講演する予定になっているほか、26日には11月の本邦雇用統計、2年債入札、28日には11月小売売上高、鉱工業生産などが発表される。植田日銀総裁の発言次第で再び豪ドル円が動意づくことには警戒しておきたい。
また、米国からは27、28、29日にそれぞれ2年、5年、7年債入札が控えているほか、複数の重要指標が年末までに予定されている。年明けの1月5日には12月雇用統計が発表される。入札結果や経済指標の結果次第では、米金利が動意づき豪ドル/ドル相場に大きく影響を与えることになるだろう。なお、米国の経済指標が強い結果となった場合は、豪州の12月CPIを下方修正する予想も出てきていることもあり、豪ドル/ドルの重しになる。
南アフリカ・ランド(ZAR)もレンジ取引となりそうだ。南アからは29日に11月貿易収支、11月次財政収支が発表される。7-9月期の経常赤字が大幅に減少したことで、11月の財政赤字が市場予想よりも減少していればZARの支えになるだろう。もっとも、29日は月末、年末ということもあり、ロンドンフィキシングなどを中心に大きなフローが出る可能性がある。市場が想定している以上に大きな値動きとなることには注意が必要だろう。
12月18日週の回顧
豪ドルは対ドルでは小動き、対円では買いが優勢となった。日銀金融政策決定会合で緩和策が維持されたほか、フォワードガイダンスなどの文言変更もなかったことで、早期マイナス金利解除への思惑後退から豪ドル円は97円半ばまで反発した。しかしながら、円売りの勢いも徐々に弱まり上値も抑えられた。また、RBA議事要旨では「インフレは低下し続けたが、依然として高い」とインフレへの警戒感が維持されたが、今後の政策については「データ次第」としたこともあり、市場の反応は限定的だった。
ZARは対ドルでは横ばい、対円では反発した。豪ドル円同様に、日銀政策決定会合後に円安が進んだ影響で下値が支えられ、一時1日以来となる7.89円まで買い戻される場面もあった。対ドルでは18ZAR前半でのもみ合いとなった。(了)