株式明日の戦略-伸び悩むも昨年来高値を更新、上昇に弾みをつけられるか

 9日の日経平均は大幅続伸。終値は385円高の33763円。休場の間の米国株の動きが良かったことから、寄り付きから300円を超える上昇。半導体株に強い買いが入り、開始直後には上げ幅を600円超に広げた。33900円台に乗せながらも34000円は超えられなかったことから、買い一巡後はしばらく値を消す流れが続いた。ただ、後場に入って33600円まで水準を切り下げたところでは盛り返し、以降は33700円台で値動きが落ち着いた。終盤にかけては、昨年7月につけた高値(33753.33円)近辺でのもみ合いが長く続いたが、終値ではこれをわずかに上回り、昨年来高値を更新した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆1300億円。業種別ではその他製品、機械、精密機器などが上昇した一方、海運、鉱業、鉄鋼などが下落した。上方修正や増配を発表したダイセキ<9793.T>が急伸。半面、12月度の月次が失望を誘ったアップガレージグループ<7134.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1315/値下がり311。エヌビディアなど米半導体株の大幅高を受けて、アドバンテスト、東京エレクトロン、ディスコ、ソシオネクストなど半導体株が軒並み高。ソフトバンクG、任天堂、キーエンスなどグロース株の主力銘柄が買いを集めた。持分法適用関連会社の上場準備を開始すると発表したDeNAや、サウジ政府系ファンドの買い増しが判明したコーエーテクモが大幅高となるなど、ゲーム株の動きが良かった。ほか、自己株取得を発表したファーマフーズが急騰した。

 一方、NY原油の大幅安を嫌気して、INPEXが軟調。川崎汽船など海運株や日本製鉄など鉄鋼株が弱く、総じて市況系のバリュー株が嫌われた。国内ユニクロ月次がさえなかったファーストリテイリングが逆行安。株式の売り出しが嫌気された稲畑産業が大幅安となった。

 日経平均は大幅上昇。34000円には届かなかったものの、昨年来高値は更新した。これまで同様に33800円を超えてくると上値は重くなったが、それでも昨年来高値を更新したのだから、この後の動きは注目される。あす上昇して始まれば、もみ合い上放れへの期待が高まる。きょうはグロース株以外はそこまで強く買われているわけではなく、日本株全体ではまだ過熱感は乏しい。国内では本日から小売の決算がチラホラ出てきており、この先は徐々に個別の材料も増えてくる。非常に良い流れができつつあるだけに、まずは次の心理的節目である34000円を早々に上回る展開に期待したい。
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。