NYマーケットダイジェスト・11日 株小幅高・金利低下・ドル失速

(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.29円(前営業日比▲0.47円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.41円(▲0.53円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0972ドル(▲0.0001ドル)
ダウ工業株30種平均:37711.02ドル(△15.29ドル)
ナスダック総合株価指数:14970.18(△0.53)
10年物米国債利回り:3.96%(▲0.07%)
WTI原油先物2月限:1バレル=72.02ドル(△0.65ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2019.2ドル(▲8.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>    <前回発表値>
12月米消費者物価指数(CPI)
前月比                0.3%       0.1%
前年比                3.4%       3.4%
エネルギーと食品を除くコア指数
前月比                0.3%       0.3%
前年比                3.9%       4.0%
前週分の米新規失業保険申請件数    20.2万件   20.3万件・改
12月米財政収支         1294億ドルの赤字 3140億ドルの赤字

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。12月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.3%/前年比3.4%と予想の前月比0.2%/前年比3.2%を上回り、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.3%/前年比3.9%と前年比で予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。前日の高値145.83円や5日の高値145.97円を上抜けて一時146.41円と昨年12月11日以来1カ月ぶりの高値を付けた。前週分の米新規失業保険申請件数が20.2万件と予想の21.0万件より強い結果となったこともドル買いを促した。
 ただ、一時は4.06%台まで上昇した米10年債利回りが3.96%台まで低下するとドル円にも売りが波及。6時30分過ぎに145.26円付近まで押し戻された。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測は根強い」との指摘があった。
 なお、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するメスター米クリーブランド連銀総裁は「12月CPIの結果は我々の仕事がまだ終わっていないことを示唆」「3月は利下げ時期としては恐らく早過ぎる」と述べ、市場の早期利下げ観測をけん制した。

・ユーロドルはほぼ横ばい。22時30分頃に一時1.0996ドルと日通し高値を付けたものの、米CPIの上振れをきっかけにドルが全面的に買われると一時1.0930ドルと日通し安値を更新した。ただ、米長期金利が低下に転じると一転ユーロ買い・ドル売りが優勢に。5時前には1.0983ドル付近まで持ち直した。
 なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁はテレビインタビューで「金利はピークに達した可能性が高い」「インフレを巡る最も困難な時期は終わった」「インフレ経路がデータで確認されれば利下げを開始できる」などと話した。

・ユーロ円は反落。23時30分前に一時160.18円と昨年12月1日以来の高値を付けたものの、5時30分前には一時159.39円と日通し安値を更新した。ドル円の失速につれた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら続伸。12月米CPIが予想を上回ると、FRBの早期利下げ観測が後退。株売りが優勢となり、一時270ドル超下落した。ただ、今週末から本格化する米企業決算への期待から買いが入ると上げに転じた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に5日続伸。米長期金利の低下が相場を下支えした。

・米国債券相場で長期ゾーンは反発。12月米CPIが予想を上回ると売りが先行したものの、30年債入札が「好調」と受け止められると買い戻しが優勢となり上げに転じた。

・原油先物相場は小反発。イランが石油タンカーを拿捕とのニュースが伝わり、供給への懸念から一時73.81ドルと、3日ぶりの高値まで上昇が強まった。しかし材料を織り込み後は上昇幅をほぼ帳消しにした。

・金先物相場は5日続落。予想を上回る米CPIを受けて米金利が上昇。金利が付かない資産である金の圧迫材料となり売りが強まった。

(中村)
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