株式明日の戦略-大幅高で36000円を上回る、いったん売り圧力は和らぐか

 29日の日経平均は大幅反発。終値は275円高の36026円。26日の米国株は強弱材料入り交じる中、3指数がまちまちで終了。しかし、東京市場ではインテルの失望決算を先んじて消化していたことから、上昇して始まった。前営業日に大幅安となった反動でほぼ全面高となり、すぐに上げ幅を3桁に拡大。節目の36000円を上回り、36100円台まで水準を切り上げた。400円超上昇したところで買いが一巡し、13時を過ぎた辺りからはじわじわと上げ幅を縮めていった。それでも36000円を下回ると改めての買いが入り、終値で36000円を上回った。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆9000億円。業種別では全業種がプラスとなった。鉱業、石油・石炭、輸送用機器などのパフォーマンスが良かった一方、パルプ・紙、金属製品、情報・通信などは小幅な上昇にとどまった。3Q累計では減収減益となったものの、自己株取得の発表が好感された日東電工<6988.T>が大幅上昇。2017年につけた11750円を上回り、上場来高値を更新した。半面、下方修正を発表したSGホールディングス<9143.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1345/値下がり277。自動車株の動きが良く、トヨタ、ホンダ、スズキ、マツダが3~4%台の上昇。原油価格の上昇を手がかりに、INPEX、出光興産、ENEOSなどが買いを集めた。売買代金上位では日本製鉄、三菱重工、三菱商事などに強い買いが入った。3Q決算と併せて自己株取得を発表したナフコや滋賀銀行が大幅上昇。米国のトマト加工大手の買収が好感されたカゴメが12.4%高と急騰した。

 一方、レーザーテック、ルネサス、ソシオネクストなど半導体関連が軟調。信越化学は自身の決算も売り材料となった。通期見通しを上方修正したファナックは買い気配スタートとなったものの、高寄り後は失速して下落で終了。タカラトミーも上方修正が好感されず下落した。通期の純利益見通しを引き下げた日立建機が大幅下落。エンジン国内認証に関する調査結果を公表し、新たな不正が発覚した豊田自動織機が後場に入って急落した。

 日経平均は大幅上昇。26日の下げ分は埋められなかったものの、終値(36026円)で36000円を上回った。業種別で全業種がプラスとなったことは、26日の下げが下にオーバーシュートしすぎたとの見方を強める。先週後半から流れが悪くなりかけたが、週明けの強い上昇を受けて、売り圧力が和らぐ展開に期待したいところだ。あすから米国ではFOMCが開催されることから、週前半の米国株は様子見姿勢が強まると思われる。日東電工は減益決算でも上場来高値を更新し、上場来高値圏にあった信越化学は失望決算でも1%台の下落にとどまった。決算に対する個別の反応は悪くないだけに、指数が足元の36000円近辺で値を固めることができるかが注目される。
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