ロンドン為替見通し=ユーロドル、戻り幅を探る展開 1.08ドル前半は重しとなる水準多い

 週明けロンドン為替市場でもユーロドルは、先週末同様に上値の戻り幅を探りながの取引か。本日は重要な経済指標は予定されておらず、欧州金融当局者の講演のみ。

 先週のユーロドルは1.07ドル台で行って来い。週前半に1.07ドル前半まで下押すも、週末にかけて1.08ドル手前まで持ち直した。値幅は限られたが4日続伸で終えている。欧州当局者から、市場の早期利下げ観測をけん制する発言が相次いだことがユーロの支えに。また、9日に米労働統計局(BLS)が2023年12月米消費者物価指数(CPI)の前月比を下方修正したこともドル売りに繋がった。

 週明けアジア市場では、東京・香港・シンガポール勢がほぼ不在のなかユーロ買いが先行。ただし、ここからは日足一目均衡表・転換線1.0811ドルが意識され、超えた場合でも雲の下限1.0828ドルが控えている。またその前後には移動平均線が「90日線1.0819ドル、200日線1.0832ドル、21日線1.0837ドル」あり、上値の重しとなりそうな水準が目立つ。その辺りを上抜けても、厚い一目・雲の中で基準線1.0860ドルが待ち構えている。逆に一気に基準線まで上抜けるようであれば、トレンド転換とも言えそうだ。
   
 本日は取引き材料少ないなか、欧州前半のデコス・スペイン中銀総裁や欧州中央銀行(ECB)チーフエコノミストでもあるレーンECB専務理事の講演が注目される。内容次第では、動意の高まりに繋がりそうだ。なお短期金融市場は今のところ、来月ECB理事会では金利据え置きを予想している。5月会合については利下げを見込む向きがやや多く、6月は利下げ確実との予測。夏前の理事会に対する思惑に変化があるか、当局者発言に注視する必要があるだろう。
  
 欧州の地政学リスクにも気を付けておきたい。ロシアと国境線を接するフィンランドで大統領選の決選投票が行われ、対ロシアで強硬路線を訴えるストゥブ元首相が初当選した。北欧の安全保障の強化に繋がるのだろうが、ロシアの反発は必至か。ロシア側からのコメントに注意しておきたい。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0860ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、5・6日安値1.0723ドル


(小針)
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