ロンドン為替見通し=ユーロドル、欧州GDPの下振れリスクに警戒か

 本日のロンドン為替市場では、欧州景気の動向を見極めながらの取引となる。ユーロドルは昨日支えとなった90日移動平均線、重しとなった200日移動平均線(それぞれ、以下90日線と200日線)が依然として注目ポイントか。

 本日はロンドン昼前までに、欧州域の10-12月期国内総生産(GDP)速報値が発表予定。序盤の仏は前期比で横ばいと前四半期から若干改善が見込まれるも、独は同比で-0.3%と前回-0.1%を更に下回り、2四半期連続でのマイナス成長が予想されている。ユーロ圏GDPも前回と同じ前期比-0.1%との予測。昨日はデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁が「インフレと成長率の下振れリスクに直面している」と述べており、よりネガティブな結果には警戒しておきたい。

 デギンドス副総裁の発言をきっかけに昨日はECBによる早期利下げ観測が強まり、ユーロドルの売り圧力に繋がった。もっとも1.08ドル割れでは下げ止まり、その後は1.0840ドル台まで切り返している。結果的にサポートとして機能したのが、1.0790ドルに位置していた90日線。本日同線は1.0793ドルまで水準を上げてきた。一方、上値を抑えたのが1.0840ドル台でジリジリと水準を下げてきた200日線。本日は1.0842ドルに位置し、東京昼までは重しとなっている。

 他スイスからは、1月KOF景気先行指数(予想:98.2)が発表予定。スイスフランは、中東の地政学リスクの高まりがより意識されそうではあるが、一応気にはしておきたい。同指数は昨年10月以降から改善が続いており、上昇幅が1つのポイントとなりそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル、25日高値1.0902ドル
・ユーロスイスフラン、29日高値0.9394フラン

想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート2の1.0767ドル
・ユーロスイスフラン、4日安値0.9270フラン


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。