株式明日の戦略-4日ぶり反落も大きくは崩れず、2月最終日も下値は堅いか

 28日の日経平均は4日ぶり反落。終値は31円安の39208円。小安く始まった後は、プラス圏とマイナス圏を行き来した。開始1時間程度は前日終値近辺で一進一退。10時台に水準を切り下げたが、下げ幅を3桁に広げたところでは下押し圧力が和らいだ。前引けにかけて値を戻し、後場に入ってプラス圏を回復。13時以降は再び前日終値近辺で一進一退となったが、終盤にかけての動きがやや弱く、小幅な下落で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆7700億円。業種別では電気・ガス、パルプ・紙、水産・農林などが上昇した一方、その他製品、海運、ゴム製品などが下落している。東京電力ホールディングス<9501.T>が急伸。米格付け会社S&Pグローバル・レーティングによる見通し引き上げが支援材料となった。半面、今回の月次から営業利益の開示を行わないことを決定したサイボウズ<4776.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり906/値下がり698。足元で値動きが大きくなっている三井E&Sが10.4%高。売買代金は全市場で2位と注目を大きく集めた。野村マイクロも商いを伴って7.1%高。TOWAが日経記事を材料に大きく上昇した。三菱商事が全保有株式を売却する検討を始め、入札には外資系ファンドや外食大手が応じるとの観測が伝わった日本KFCが、一時ストップ高となるなど急騰。任天堂の新作ゲームに絡むニュースを材料にDeNAがストップ高となった。

 一方、任天堂は新作に関するニュースが好感されず強めの下落。SCREENやルネサスなど半導体関連の一角が大きく売られた。三菱UFJや三井住友などメガバンクが買い先行から急失速して、ともに1%を超える下落。証券会社が投資判断を引き下げたオムロンが大幅安となった。

 本日はグロース市場に2社が新規上場。Cocolive(ココリブ)は高い初値をつけたものの、終値は初値を大きく下回り、ストップ安をつける場面もあった。光フードサービスは買いが殺到して初値は持ち越しとなった。

 日経平均は上げ下げを繰り返し、小幅な下落で終了した。プライムでは値上がり銘柄の方が多く、指数の方向感が定まらない中でも売りを急ぐような動きは見られなかった。大きく跳ねる銘柄は多い一方、2桁の下落率となったのは全市場で4銘柄しかなく、うち2銘柄は株価が一桁台であった。

 今週に入ってからの3日間は日中では値幅がほとんど出ておらず、ローソク足では実体部分の短い足が3本並んでいる。悪く捉えれば上値が重いということになるのだが、史上最高値を更新した後に上昇にブレーキがかかっているにもかかわらず、ほとんど崩れていない。現状ではもう少し下げれば買いたいという投資家が多い状態と推測される。指数が上に跳ねるかどうかは米国株次第となるだろうが、2月最終日となるあすも下値に関しては堅いと予想する。
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