週間為替展望(ドル/ユーロ)-日米の金融政策発表に注目
d◆ドル円、日銀金融政策決定会合の政策変更に注目
◆ドル円、FOMCでの「経済・金利見通し」の修正を見極め
◆ユーロドル、米国よりもECBの利下げペース早いとの見方強まるか
予想レンジ
ドル円 146.00-152.00円
ユーロドル 1.0550-1.1100ドル
3月18日週の展望
ドル円は、日米金融政策発表を受けて荒い値動きが想定される。まず、日銀が18-19日に金融政策決定会合を開く。13日の集中回答日に大手企業の多くが労働組合の賃上げ要求に対して満額回答するなど、賃金と物価の好循環へ手応えを感じさせる結果となっており、市場では「今会合でマイナス金利を解除する」との声が多く聞かれている。仮に2016年1月以来、約8年ぶりにマイナス金利が解除された場合、発表後には円高が進む可能性があるが、注目となるのは日銀が今後も継続的に利上げを行う姿勢を示すかどうか。踏み込んだ発言がなければ、これまで進んでいた円高に対する調整が強まることも想定しておきたい。
また、11日の東京株式相場で東証株価指数(TOPIX)が午前の取引で2.3%下落したにもかかわらず、日銀が上場投資信託(ETF)の買い入れを見送ったため、「2010年以来続けてきたETFの新規買い入れの完全停止を検討するのでは」との思惑が広がっている。マイナス金利解除に加えて、YCC撤廃やETF買入れの停止などに踏み込むかどうかも見極めたいところだ。
日銀会合の次には、19-20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われる。今回のFOMCでは政策金利の据え置きが織り込まれているが、注目点はメンバーによる「経済・金利見通し」だ。市場では一時年内6回の利下げを予想する声もあったが、現状は年内3回と12月の見通しに沿った織込み具合となっている。今週発表された米インフレ指標は強い内容が目立った。消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)ともに市場予想を上回る結果となり、米長期金利の上昇を招いている。仮に今会合で金利見通しが上方修正されると、ドルの上昇につながりそうだ。
ユーロドルは、米金融政策発表を受けたドルの上下に振らされる展開が想定される。欧州中央銀行(ECB)のメンバー内には4月利下げや年内4回の利下げを主張する声も出てきており、FOMCよりも利下げペースが早いと市場が判断した場合には売りが出やすい地合いとなりそうだ。来週は2月ZEW景況感調査や欧州各国の3月購買担当者景気指数(PMI)速報値など足もとの景気を見極めるうえで重要な指標が予定されている。
3月11日週の回顧
ドル円は週明けこそ146.49円まで下落したものの、その後は徐々に下値を切り上げる展開となった。2月米CPIが予想を上回ったことが伝わると148円台を回復。その後はしばらく147円台を中心に方向感なく推移していたが、週後半には米長期金利の大幅上昇を支えに148.46円まで上値を伸ばしている。
ユーロドルは1.09ドル台半ばを中心とした狭い値幅で方向感を欠いていたが、米長期金利の大幅上昇によりドル買い圧力が高まると一時1.0879ドルまで下落している。(了)
◆ドル円、FOMCでの「経済・金利見通し」の修正を見極め
◆ユーロドル、米国よりもECBの利下げペース早いとの見方強まるか
予想レンジ
ドル円 146.00-152.00円
ユーロドル 1.0550-1.1100ドル
3月18日週の展望
ドル円は、日米金融政策発表を受けて荒い値動きが想定される。まず、日銀が18-19日に金融政策決定会合を開く。13日の集中回答日に大手企業の多くが労働組合の賃上げ要求に対して満額回答するなど、賃金と物価の好循環へ手応えを感じさせる結果となっており、市場では「今会合でマイナス金利を解除する」との声が多く聞かれている。仮に2016年1月以来、約8年ぶりにマイナス金利が解除された場合、発表後には円高が進む可能性があるが、注目となるのは日銀が今後も継続的に利上げを行う姿勢を示すかどうか。踏み込んだ発言がなければ、これまで進んでいた円高に対する調整が強まることも想定しておきたい。
また、11日の東京株式相場で東証株価指数(TOPIX)が午前の取引で2.3%下落したにもかかわらず、日銀が上場投資信託(ETF)の買い入れを見送ったため、「2010年以来続けてきたETFの新規買い入れの完全停止を検討するのでは」との思惑が広がっている。マイナス金利解除に加えて、YCC撤廃やETF買入れの停止などに踏み込むかどうかも見極めたいところだ。
日銀会合の次には、19-20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われる。今回のFOMCでは政策金利の据え置きが織り込まれているが、注目点はメンバーによる「経済・金利見通し」だ。市場では一時年内6回の利下げを予想する声もあったが、現状は年内3回と12月の見通しに沿った織込み具合となっている。今週発表された米インフレ指標は強い内容が目立った。消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)ともに市場予想を上回る結果となり、米長期金利の上昇を招いている。仮に今会合で金利見通しが上方修正されると、ドルの上昇につながりそうだ。
ユーロドルは、米金融政策発表を受けたドルの上下に振らされる展開が想定される。欧州中央銀行(ECB)のメンバー内には4月利下げや年内4回の利下げを主張する声も出てきており、FOMCよりも利下げペースが早いと市場が判断した場合には売りが出やすい地合いとなりそうだ。来週は2月ZEW景況感調査や欧州各国の3月購買担当者景気指数(PMI)速報値など足もとの景気を見極めるうえで重要な指標が予定されている。
3月11日週の回顧
ドル円は週明けこそ146.49円まで下落したものの、その後は徐々に下値を切り上げる展開となった。2月米CPIが予想を上回ったことが伝わると148円台を回復。その後はしばらく147円台を中心に方向感なく推移していたが、週後半には米長期金利の大幅上昇を支えに148.46円まで上値を伸ばしている。
ユーロドルは1.09ドル台半ばを中心とした狭い値幅で方向感を欠いていたが、米長期金利の大幅上昇によりドル買い圧力が高まると一時1.0879ドルまで下落している。(了)