NYマーケットダイジェスト・15日 株安・金利上昇・ドル高

(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.28円(前営業日比△1.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.91円(△0.78円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0624ドル(▲0.0019ドル)
ダウ工業株30種平均:37735.11ドル(▲248.13ドル)
ナスダック総合株価指数:15885.02(▲290.07)
10年物米国債利回り:4.60%(△0.08%)
WTI原油先物5月限:1バレル=85.41ドル(▲0.25ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2383.0ドル(△8.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。予想を上回る3月米小売売上高を手掛かりに全般ドル買いが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6611%前後と昨年11月13日以来の高水準を記録したことも相場の支援材料となり、23時過ぎに154.45円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。
 中東情勢緊迫化への警戒感から一時400ドル超上昇したダウ平均が失速し320ドル超下落すると、ドル円にも売りが出て153.88円付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。市場では「154円台に乗せたことで政府・日銀が円買い為替介入に動くとの警戒感が強まっている」との声も聞かれたが、結局154円台を維持して引けた。
 なお、イスラエル戦時内閣はこの日、「明確に強力に」再報復する方針を決定。イスラエルのガラント国防相は「イランへの報復以外に選択肢はない」と述べたうえ、「イスラエルによるイランへの報復は差し迫っている」との報道が伝わった。イスラエルがイランに再報復の構えをみせており、中東の地政学リスクを巡る警戒が高まっている。

・ユーロドルは4日続落。欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まる一方、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始は想定より後にずれるとの観測が高まっており、欧米の金利差拡大への思惑からユーロ売り・ドル買いが出やすかった。米小売指標の上振れをきっかけに全般ドル買いが活発化すると、前週末の安値1.0623ドルを下抜けて一時1.0620ドルと昨年11月3日以来の安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.25と昨年11月2日以来の高値を付けた。

・ユーロ円は5日ぶりに反発。ドル円の上昇につれた買いが入ると一時164.44円と本日高値を付けたものの、前週末の高値164.47円が目先レジスタンスとして意識されると失速。ユーロドルの下落につれた売りも出て一時163.66円付近まで下押しした。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日続落し、1月18日以来約3カ月ぶりの安値となった。予想を上回る3月米小売売上高をきっかけに米長期金利が大幅に上昇すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが優勢となった。イスラエルがイランに再報復の構えをみせると、中東の地政学リスクを巡る警戒も高まり売りを誘った。寄り付き直後には400ドル超上げたものの、引けにかけては320ドル超下げた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、2月21日以来の安値で取引を終えた。「世界の従業員の10%以上を削減する計画」と伝わった電気自動車(EV)のテスラが5%超急落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米利下げ開始が先延ばしになるとの観測が一段と強まる中、3月米小売売上高が予想を上回ると債券売りが加速した。利回りは一時4.6611%前後と昨年11月13日以来約5カ月ぶりの高水準を付けた。

・原油先物相場は小幅に反落。先週末に強まった中東情勢の緊迫を反映した売りが一服。2日以来、約2週間ぶりの安値84.42ドルまで下落する場面もあった。しかしイスラエル反撃の可能性を伝える報道を受けて下落幅を縮小した。

・金先物相場は3日続伸。市場予想を上回る米小売売上高が米利下げ先送りの観測を強め、米金利上昇・ドル高に。金利が付かない資産である金が売られたり、ドル高がドル建て価格の割高感につながったりしたことで下落が先行した。しかしイスラエルがイランへ反撃との懸念を高める報道が伝わり、リスク回避資産としての金に買いが集まり上昇へ転じた。

(中村)
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