ニューヨーク外国為替市場概況・3日 ドル円、3日続落

 3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落。終値は153.05円と前営業日NY終値(153.64円)と比べて59銭程度のドル安水準だった。米労働省が発表した4月米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比17.5万人増と予想の24.3万人増を下回り、失業率が3.9%と予想の3.8%より弱い内容となった。また、平均時給は前月比0.2%/前年比3.9%と予想の前月比0.3%/前年比4.0%を下回った。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始が先送りになるとの観測が後退すると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行。21時30分過ぎに一時151.86円と4月10日以来の安値を付けた。
 なお、市場では「米連邦公開市場委員会(FOMC)が次回会合で利下げに傾くには十分ではないものの、労働市場の需給が著しく緩み始めつつあることを示唆。賃金の伸びが予想に届かなかったことはインフレにとって前向きな兆候」「米労働需要は減速しつつあり、いずれインフレ圧力の緩和につながる。FOMCの年内利下げへの裁量を幾分か与えるだろう」との声が聞かれた。
 ただ、151円台では押し目を拾いたい向きは多く、売り一巡後は下げ渋る展開に。23時発表の4月米ISM非製造業景況指数は49.4と予想の52.0を下回ったものの、仕入れ価格指数が59.2と予想の55.0を上回ったことでドルを買い戻す動きが広がった。24時前には153.07円付近まで下値を切り上げた。そのあとは週末のNY午後ということもあり、徐々に値動きが鈍った。

 ユーロドルは3日続伸。終値は1.0761ドルと前営業日NY終値(1.0725ドル)と比べて0.0036ドル程度のユーロ高水準だった。米雇用統計の下振れをきっかけにドル売りが先行すると一時1.0811ドルと4月10日以来の高値を付けたものの、ISM非製造業の仕入れ価格指数が予想を上回ると一転ドルを買い戻す動きが優勢となり下落した。23時30分前には1.0752ドル付近まで下押しした。
 なお、ボウマンFRB理事は「データ次第では、追加利上げの用意がある」「見通しには依然として多くの上振れリスクがある」との考えを改めて示した。

 ユーロ円は小幅ながら3日続落。終値は164.72円と前営業日NY終値(164.80円)と比べて8銭程度のユーロ安水準。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出ず。164円台前半から半ばでの狭いレンジ取引に終始した。

本日の参考レンジ
ドル円:151.86円 - 153.79円
ユーロドル:1.0724ドル - 1.0811ドル
ユーロ円:164.02円 - 164.97円

(中村)
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