株式明日の戦略-方向感が定まらず小幅安、様子見姿勢の強い地合いが続くか

 13日の日経平均は反落。終値は49円安の38179円。小安く始まった後は、押しては戻すといった動きを繰り返した。序盤では一時200円超下げて節目の38000円を割り込んだものの、切り返して前引けは小幅なプラス。プラス圏は定着せず、後場には再び下げ幅を3桁に広げた。しかし、後場は38000円は割り込むことなく踏みとどまり、終盤にかけては下げ幅を縮小。終日方向感が定まらない中、2桁の下落で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆6000億円。業種別では繊維、その他製品、精密機器などが上昇した一方、不動産、建設、水産・農林などが下落した。1Qの大幅増益や1:4の株式分割がポジティブサプライズとなったアシックス<7936.T>に買いが殺到。場中は値が付かずストップ高比例配分となった。半面、今期の大幅最終減益見通しを提示した日本板硝子<5202.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり808/値下がり807。決算が好感されたTOWAが20.8%高。売買代金は全市場で4位と人気化した。資生堂は1Qの営業赤字がネガティブ視されることなく3%を超える上昇。ジャムコ、三菱製紙、レオパレス21などが決算を材料に急伸した。業績関連のニュースに対する株価の反応がかなり大きくなっており、ユニプレスやヨネックスがストップ高。ノーリツ鋼機や宮越HDがストップ高比例配分となった。

 一方、不動産大手の三井不動産と三菱地所が決算を受けて大幅安。建設大手の大成建設と清水建設が後場に値を崩し、引け後に決算発表を控えた大林組にも警戒売りが波及した。東京エレクトロンは決算内容は悪くなく買われる場面もあったが、失速して1%台の下落。コクサイエレやSUBARUが決算失望で大きめの下落となった。今期が大幅な減益見込みとなったパイオラックスは、売りが殺到してストップ安となった。

 日経平均は小幅安。ダウ平均の8日続伸を受けても買い意欲は乏しかった一方、38000円より下を売り急ぐ動きは限られた。15日に発表される米4月消費者物価指数(CPI)を見極めるまでは、強気にも弱気にも傾きづらい状況が続きそう。そして、全体が材料待ちとなる中で、決算を受けた個別銘柄の短期的な振れ幅は大きくなっている。今週前半までは決算発表も多く、あすもきょうと似たような地合いが想定される。大幅な上昇は期待しづらいが、38000円近辺で下値が固まってくるかどうかを注視しておきたい。
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