欧州マーケットダイジェスト・20日 株高・金利上昇・ドル底堅い

(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=156.17円(20日15時時点比△0.47円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=169.66円(△0.26円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0864ドル(▲0.0016ドル)
FTSE100種総合株価指数:8424.20(前営業日比△3.94)
ドイツ株式指数(DAX):18768.96(△64.54)
10年物英国債利回り:4.169%(△0.042%)
10年物独国債利回り:2.529%(△0.014%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。日本時間夕刻に一時155.50円付近まで値を下げたものの、週明け早朝取引で付けた日通し安値155.48円が目先サポートとして働くと買い戻しが進んだ。主だった米経済指標の発表がない中、NY勢参入後も円売り・ドル買いの流れが継続した。米連邦準備理事会(FRB)高官らが早期利下げに慎重な見方を示す中、米長期金利の指標である米10年債利回りが4.45%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時156.23円と日通し高値を更新した。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁は「インフレ目標の2%に到達すると確信できるまでまだ時間がかかる」と述べたほか、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「インフレ率が2%に向けて低下していることをまだ確信せず」などと発言。また、ジェファーソンFRB副議長は「4月のインフレ指標は鈍化したものの、インフレが目標の2%に持続的に回帰しつつあるとは断言できない」と述べた。

・ユーロドルは下げ渋り。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、ザークス・ラトビア中銀総裁が「6月の欧州中央銀行(ECB)理事会で利下げが開始される見込み」と発言したことが相場の重しとなり、21時30分過ぎに一時1.0854ドルと日通し安値を付けた。ただ、前週末の安値1.0836ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。2時30分前には1.0871ドル付近まで下げ渋った。

・ユーロ円は169円台前半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、欧州株高を背景にリスク・オンの円売りが出た。23時30分前に一時169.70円と日通し高値を更新した。

・ポンドは全面高の展開。ポンドドルは一時本日高値となる1.2725ドル、ポンド円は198.59円まで値を上げたほか、ユーロポンドは0.8541ポンドまでユーロ安・ポンド高に振れた。なお、ブロードベント英中銀(BOE)副総裁は「英経済が予想通りに進展すれば、夏の間に利下げが可能になる」と述べたものの、相場の反応は限定的だった。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反発。アジア株式相場が総じて堅調だったことが相場の追い風となり上昇して始まったものの、引けにかけては伸び悩んだ。BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が買われたほか、グレンコアなど素材株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。本日のアジア株相場の上昇を受けて買いが優勢となった。個別ではラインメタル(3.75%高)やコベストロ(2.15%高)、MTUエアロ・エンジンズ(1.49%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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