NY為替見通し=ドル円、リスクセンチメントの強弱に振らされる展開か

 本日のニューヨーク為替市場では、アジア午後から世界規模で広まった米マイクロソフト社のWindowsデバイス障害の影響を見定めながらの取引か。大企業で導入が多いとされるセキュリティソフトに問題が生じ、オンラインサービス全体に不具合が起きたもよう。主要空港などもシステム障害による遅延が発生するなど、影響は拡大している。

 世界経済は大手ハイテク企業に頼るところが大きく、経済活動の停滞が懸念される。そういったなか欧州株は売りが先行し、日米の株価指数先物も下げ幅を広げる場面があった。リスク回避が意識され、東京市場で売り戻された円にも買い戻しが入っている。

 システム障害が長引けば、週末を控えて米株市場も持ち高調整の売りが進みそうだ。もし障害が回復して問題なしとなれば、行き過ぎたリスク回避の巻き戻しとなるだろう。円相場はリスクセンチメントの強弱に振らされるのではないか。

 米国からは重要な経済指標は予定されておらず、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁とボスティック米アトランタ連銀総裁が発言予定。30-31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にしたブラックアウト期間が明日から始まるため、その他のFRB高官からも駆け込み的な発言がでるかもしれない。

 直近FOMCで金利は動かさないのだろうが、利下げ観測が高まっている9月会合に向けて地ならし的な見解が本日は示されるか。ただ逆に、市場が先走らないように手綱を引き締める可能性もあり、NYとアトランタ連銀総裁のコメント内容には注視したい。

 他、米大統領選に向けての動きも注目。共和党トランプ米大統領の優勢は変わらず、今後もトランプ発言に市場は右往左往させられそうだ。また、民主党候補からバイデン大統領が降りる可能性が高まっている。その辺りの動向や、金融市場全般の反応を見定めたい。

想定レンジ上限
・ドル円、158円台に乗せると日足一目・基準線158.67円

想定レンジ下限
・ドル円、日足一目・雲の上限156.17円


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。