NY為替見通し=ドル円、パウエルFRB議長のハト派的な議会証言に要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、本日予定されているパウエルFRB議長の議会証言でのハト派的な見解に警戒する展開が予想される。

 パウエルFRB議長は、本日の米上院銀行委員会、明日10日は米下院金融サービス委員会で金融政策や経済情勢に関する半期に一度の証言を行う。

 パウエルFRB議長は先日の欧州中央銀行(ECB)主催のシントラ会合で、米国の物価について「ディスインフレ、物価上昇率が低下していく道に戻った」と述べた。しかし、政策金利の引き下げについては「もっとデータを見たい。具体的な日程は決めていない」と述べ、経済指標を見極めた上で慎重に利下げの時期を判断する従来の見解を繰り返した。

 重要なデータのひとつである米国6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+20.6万人だったことは利下げ時期先送り要因だが、失業率の上昇や平均時給の伸び率鈍化は利下げ時期前倒し要因となった。
 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始確率が高まり、12月のFOMCでも利下げが予想されている。

 またもう一つの重要なデータである米国6月の消費者物価指数(CPI)は伸び率の鈍化が見込まれている。
 6月のFOMCでのドット・プロット(金利予測分布図)では、パウエルFRB議長は年内2回の利下げを支持していた8名の内の一人だと思われることで、議会証言でのハト派的な見解に警戒しておきたい。

 今後の日程は、7月30-31日にFOMC、8月22-24日にジャクソンホール会合、そして、9月17-18日のFOMCでは利下げを開始する可能性が高まっている。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、161.95円(7/3高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、159.62円(6/26安値)


(山下)
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