NY為替見通し=ドル円、FRB議長の発言に注目

 ドル円は欧州タイムで154.61円まで一段高となり、34年ぶりの高値更新の動きが続いている。

 米利下げ思惑が緩む一方で、日銀の追加利上げ期待は高まらず、日米金利差を意識したドル高・円安の動きが継続。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での据え置き予想が7割超に上昇し、7月FOMCでの利下げ予想も5割程度まで低下している。

 本日は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長やジェファーソンFRB副議長、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁など、複数のFRB関係者の発言機会があり、発言内容が注目される。特に最近の米経済指標が米経済の強さを示しているなか、パウエルFRB議長が金融政策について言及するかが注目。

 ドル円は介入ラインとされた152円を上抜けた後、これといった調整もなく154円半ばまで上昇しており、過熱感もあるが、足もとでは株安が進んでもリスクオフの円買いが限られ、円買い材料は乏しい。日本当局の円買い介入への警戒感はドル円の上昇のスピードを抑える要因となるも、上値の切り下げる手がかりとはならず、ドル円の下値は堅い。市場が警戒していた152円台で円買い介入が実施されず、155円近辺が新たに介入ラインとして警戒されており、同水準での動きが注目される。

・想定レンジ上限
 ドル円は心理的節目の155.00円、1990年6月高値155.87円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は本日これまでの安値154.14円や5日移動平均線の153.64円近辺が下値めど。

(金)
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